降谷零の憂い ページ17
それでもいいの、
例え、彼が振り向いてくれなくても..
貴方の側に居られれば。
だから、お願い―――
「降谷く...」
もう一度、降谷の名を呼ぼうとした時だった。
「きゃっ！」
ドサッ――
Aは前方ばかりに気を取られ、道端の側溝に
ピンヒールの踵部分がはまってしまい派手に転倒したのだ。足元をすくわれるとは、正にこの事か。
道端ですっ転ぶなんて、いつぶりだろう。
最後に転んだのは、田舎の舗装もされていない
土の匂いたっぷりの砂利道。
ここは、大都会ど真ん中のコンクリートジャングル。ソレはやけに無機質で大した事の無いかすり傷さえ余計に痛みを感じさせる。
「痛っ..」
私..何やってるんだろ？
転倒した事で得た痛みで、少しだけ冷静になる。
追いかけてばかりで..
「おいっ！大丈夫か！？」
「降谷く.....さん。」
昔の様な関係に戻りたい。
そんな気持ちのまま彼の名を呼ぼうとし、
咄嗟に引っ込める。
「..立てるか？」
「は、はい。」
降谷は道端に転がったバックをさりげなく拾って、
そのままそっとAの手を引き、起き上がらせた。
少しだけぎこちなく差し出された手は、
Aの瞳にさぞ眩しく映っただろう。
「有難う御座います...って、えっ、」
降谷は転倒した部下を立ち上がらせると、
そのまま何事も無かった様に歩み始める。
今度はゆっくり、Aの歩幅に合わせて。
そう、掴んだ手は離さないまま。
部下なのに..手を離せずにいた。
「A、送るから。来て..」
それっきり、降谷が口を開く事は無かったが
ちっとも気に留めなかった。
話しかけるかのように、時々繋がれたままの手に
緩急力を込められ、それが心地よかったから。
あぁ..
彼の手は大きくて、温かい――
月並(ツキナミ)Aと降谷零は同期では無い。
けれど、警備企画課に配属になった時期はほぼ一緒。聡明で気配り上手な上に、可憐な美しさを持つA。一方、甘いマスクに見劣りしない英知、そして強さと優しさを兼ね備えた降谷。年頃の男女が親しくなるのに、そう時間は要しなかった。
けれど、降谷の階級が上がるにつれその淡く漂っていた甘い関係性は次第に薄れ..現在に至る。
月並Aは、降谷零の “ 部下 ” なのだ。
駐車場で主人を待つRX-7。
白で塗り尽くされた美しいフォルムが放つ輝きを見れば、如何に手間暇かけ可愛がられているか言わずとも、その姿で語っていた。
「A、さぁ乗って。」
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
