甘い誘い ページ46
「お勧めは、普通にブレンドコーヒーだけど、
なんとカフェモカも飲めちゃうんだよ。コーヒーとチョコの比率を調整出来るの。」
「凄いですね！Aさん、 有難う御座います。」
愛依はどれにするか悩み、Aは千円札を財布から取り出し自販機に投入しようとした時だった。
「で？どれにするんだ？」
「 ...!? 」
一瞬で空気が変わる。その声、なんとも面妖な。
降谷零の色香に満ちた響は、女子会の様な浮ついた雰囲気をいとも簡単に消し去った。
Aも愛依も、2人の長い睫毛がパタパタと瞬く回数が一気に増え、突然現れた目の前の男に視線が集中する。
「なんだ、2人共飲まないのか？ほら、さっさと選べ。」
Aが自販機に挿入しようとした千円札はいつの間にかAの財布に挟み込まれ、代わりに降谷が入れたと思われる紙幣により自販機が赤く点灯しているではないか。 まるで、いつでもどうぞ、と言わんばかりだ。こんなに鮮やかにやってのける降谷に、
Aも愛依も呆気にとられていたのだ。
二人共、思う事は同じ..
目の前の上司は、やはり..かっこいい――
「ほらっ、気をつけて？」
「有難う！れっ...降谷さん。」
愛依は褐色の手が掴んでいる、紙コップをしっかりと両手で受け取る。涼しげな空調が効いた空間に
うっすらと湯気が立ち上り、そして珈琲豆独特の香ばしい香りが漂う。
「Aは決まったか？」
「あっ、えっと..」
「何やってるんだよ。」
カフェモカのチョコとコーヒーの比率を微調整する
Aの行動が不思議だったのだろう。
「あぁ..カフェモカか、面倒じゃないか？」
「だ、だって..ここのは美味しいんですよ。それに、誰かさんがマグカップ返してくれないんです。」
「ごめんって、Aのカップは後でちゃんと返すから。」
降谷のやや垂れた眉。けれど、口元の薄い唇は緩やかに大きな弧を描く。対照的に愛依の表情はほんの一瞬強張る。
「もうこんな時間か...今から会議なんだ。
今野もAも残り時間しっかり頼むよ。」
「有難うございました。」
「有難うございます。」
重なる2人の、感謝の意。
降谷は淡く笑みを浮かべながら、その場を後にした
。残された2人は、自販機横の長椅子に腰掛けながら手元の紙コップに口を付ける。豆の香ばしい香りにカフェモカの甘い匂いが混ざり合う。疲れた脳には丁度良い刺激だ。
「あの...Aさん..」
「んっ？」
「その..降谷さんと..付き合っているんですか？」
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
