俺への願い YG side ページ38
あれはそう、Aが宿舎に戻って２週間程経った日だったか。
作業用のメールアドレスに入っていた１通のメール。
『時間がある時に連絡いただけますか』
記憶が戻ったわけじゃないことは明確だったけど、わざわざメールを使って連絡してくることに少なからず何かの期待はしていて。
それは半分叶って…半分叶わなかったけど。
「もしもし？」
【「すみません、お疲れなのに…」】
「そんなんいい。何かあったか？」
浮かない声から出てきた言葉は、浮かない声も納得いくものだった。
記憶が戻った自分へのビデオメッセージ。
その存在がフォルダ内に溜まっていくのを見るのが、急に怖くなったと。
いっそ消してしまおうかと思ったけれど、きっと役立つはずだと正反対の答えが頭を悩ませている。
思考を振り払うようにマウスを動かすと、フォルダに合わせていたカーソルが反動で違うフォルダを触って…
俺と作った曲が出てきたらしい。
【「…全部、再生したんです。ずっと聴いてました。まだ音だけで…曲になってないのも全部」】
「…ああ」
【「心が休まる感覚を、久々に味わった気がして」】
単純に嬉しかった。
悩んでる奴を相手に言える台詞じゃないけど…俺と作ったものにそんな感情を抱いてくれたことを。
…それが好意を寄せる相手ならなおさら。
【「…オッパにお願いがあるんです」】
YG「…臆病風に吹かれて消してしまわないように、ビデオメッセージを送るから預かってほしいって。見るのも構わないからって」
「わたしが…そんなことを…」
YG「見ようと思った時もあったよ、正直。だけど見なかった…いや、見れなかった」
お前が俺を信じて預けてくれたものだから。
ポケットに忍ばせてきたメモリを、座ってるAに渡す。
少し震えた手で受け取るAは…誰の目にも明らかな程不安そうで。
俺も、ジョングクやテヒョンみたいに周りお構いなしに抱きしめてやれたら良かったのに。
YG「…これがお前の求める答えをくれるかもしれない」
「……」
YG「お前の判断は、間違ってない」
「ユンギオッパ…」
俺に出来るのは、メモリを持つ震える手を両手で包んでやることぐらいだから。
だけど、４人でも他の６人でもなく俺を頼ってきてくれたことを誇ってもいいだろ？
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クレア(プロフ) - さらさん» 何度も読み返したとか嬉しすぎるんですが…！！！！！そんな風に言っていただけて、作者冥利につきます！！！もうＳ４は書き終わって舞台はＳ５に移ろうとしていますので、順次アップしていけたらと思っています♪今後もよろしくお願いします(//∇//) (2017年6月4日 23時) (
レス) id: 3b6d261db9 (このIDを非表示/違反報告)
さら - クレアさん、嬉しいです！何度も読み返した作品なので更新されたかな？と毎日開いてます笑。楽しみに待ってますのでゆっくりで大丈夫ですよ！ (2017年6月1日 0時) (レス) id: fd19c08d81 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - さらさん» わたし調子に乗りすぎて、１作(５０話)を２週間とかで更新していまして…ちょっと更新しすぎたなと反省しておりました…笑。その中でさらさんのお言葉に救われた気になりました！嬉しいお言葉ありがとうございました！ (2017年5月30日 21時) (レス) id: 64018d73a5 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 早く続きが見たいです。更新楽しみにしてます。無理されずに続き更新してください！ (2017年5月30日 0時) (レス) id: fd19c08d81 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 頻繁に更新しないと決めたのにすぐしたくなる病…落ち着け自分…(もう５０話書き終わってるとか言えない…) (2017年5月22日 21時) (レス) id: 64018d73a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クレア | 作成日時：2017年5月12日 21時
