LuV@ホソク ページ7
事務所からの指示でQueentetが１ヶ月毎日順番にyoutubeのチャンネルで動画をあげることになったらしい。
２回目のAの動画が、自分で作曲したものに合わせて自分で振付したダンスを踊ったものだった。
その動画を観て、この子は本当にこれをするために生まれてきたんだ…なんて思ったんだ。
「もしもしA？今日あがった動画のダンス、俺も踊っていい？」
「オッパお疲れ様です！勿論です〜！」
「…出来れば直接教わりたいんだけど…明日時間ってあるかな？」
「明日は昼から夜まで事務所にいますが、ホソギオッパは？」
そんな電話をして、夜から事務所の練習室でダンス練習が出来ることになった。
「ありがとA、無理言ってごめんね」
「いえ、オッパと練習出来るなんて光栄です！」
「優しいなあほんとに。そうだ、１度踊ってもらっていい？」
「はい！」
当たり前だけど、動画で見るよりずっと伝わるその姿。
心が踊る。
弾む。
こんなにも、焦がれる。
「よし、ちょっと踊ってみようっと！！」
「よろしくお願いします！」
隣で踊るAの熱にあてられ、鏡に映る姿に魅せられ、俺は移動方向を間違えてしまって。
距離が近づきすぎてぶつかり、Aを抱えるように倒れこんだ。
「ごめんなさいオッパ！大丈夫ですか？！」
「いや、俺が間違えたから…」
身体を起こせば自然と近付く距離。
俺の脚の間に座り、俺の腕に掴まっているAを見て顔が真っ赤になるのが分かる。
「オッパどこかぶつけましたか？！痛みますか？！」
「い、いや…」
「わたし、何か冷やすものもらってきます！！」
そう言って動こうとするのを引きとめて、俺はなぜかAを自分の胸におさめてしまった。
「オッパ…？」
「……！！ご、ごめん！！」
「いえ…っ…」
「お、俺、用事思い出した！！ありがとA！！またね！！」
あんなことするつもりなかった。
自分でやったくせに動揺がすごくて…ざわつく感情が抑えられない。
どんな激しいダンスを踊った時より心臓が早くなるなんて。
この熱は、あの時のに似ている。
初めてダンスを踊ったあの熱。
すぐに夢中になった、あの熱。
ああ、きっと俺はまた“オチた”んだ。
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作者名：クレア | 作成日時：2017年4月30日 13時
