収録後 ページ47
収録が終わって…なんだろう、胸のつかえが取れた気分になった。
ずっと抱えていた、たくさんの人に対する申し訳ないと言う気持ち。
謝罪をしたくても事務所が何も発表しない段階で吐露するわけにはいかなくて。
収録が怖かった気持ちはあるけれど…話せるチャンスを与えていただけたんだとも思う。
…泣いてしまったのはとても情けないけれど。
YR「Aがどう思ってたのか、やっと分かった。何聞いても平気だとしか言わないし、笑ってるし、どんな時でもあたし達を宥める側に回るし……って、あたし達がそうさせてたんだよねきっと。気付いてあげられなくてごめん…」
「謝らないでユリ…あたしの問題で迷惑かけてごめんね…」
YR「…かけてよ」
「え…?」
YR「迷惑なんていくらでもかけてよ…!迷惑より心配の方がずっとつらいし、悲しいし、こわい。…そもそも、Aのこと迷惑なんて思うわけないでしょ!メンバーで、家族で、親友なんだからね!!」
「…ありがとう」
YR「…“話さなくちゃいけない場”に追いつめられると話せるなら、これからラジオスターさんにお願いしようかな」
「お願いだからやめて…!」
YR「それがイヤなら、ちゃんと全部話してよね?」
そう言ってイタズラっ子みたいな笑みを浮かべた親友は、あたしの後ろに目をやった。
誘導されるように見ればそこにはテヒョンイオッパがいて…どこか、元気がなさそう。
TH「…A、ちょっといい?」
YR「…あたし先控室戻るね」
「あ、うん…」
YR「次の入りまでは時間あるし、少し遅れるって言っておく」
TH「ユリヤ!ありがと」
YR「いえいえ〜」
ユリを見送ってオッパに目線を戻すと、やっぱりいつものオッパじゃなくて。
俯いて何も言わないオッパにあたしは戸惑った。
ニコニコ笑ってたくさんお喋りしてくれるオッパが、あたしが良く知るオッパだから。
「オッパ、どうかされたんですか?」
TH「…うん」
「わたしに話せることですか…?」
TH「…話したくて、探してた」
「よかった、それなら聞かせてください」
TH「…俺、さ…帰りたかったの」
「…え…?」
TH「あっちいる時この騒動が起きて…出来るなら今すぐにでも帰りたいって思った。Aのこと、守ってやらなきゃって」
「…オッパ…ありがとうございます」
オッパの優しさが嬉しくてお礼を告げると同時に、強く引き寄せられて抱きしめられた。
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作者名:クレア | 作成日時:2017年4月30日 13時