あの時の俺 JK side ページ44
海外スケジュールを終えて韓国に戻り、ヒョンの言う通り時差ボケを解消する間もないまま俺たちはスタジオへ向かった。
でもそれで良かった。
あの後Aから連絡は返って来たけど…ずっと心配は解消されなくて付きまとっていたから。
スタジオに向かえば、Queentetはすでに入っていると聞いて全員で駆けつけた。
CR「お疲れ様です。すみません私たちから足を運ぶべきなのに…」
RM「今着いたばかりだから、それは気にするな」
RL「…オッパ達が帰ってくる頃には良い報告が出来ると思ったんですけど…」
JN「無理なものはしょうがないよ。それより大丈夫か?」
CR「はい、私たちは大丈夫です」
YR「…でも早く終わってほしいです全部」
JN「うん、俺たちもそう思ってるよ…」
JK「……Aは?」
SN「今パンPDニムからお電話があって外に出てます」
TH「A!!」
「オッパたちもういらしてたんですか?おかえりなさい、海外スケジュールお疲れ様です!」
電話を終えて入ってきたAに、俺たちは驚くしかできなくて。
だって、いつも通りすぎるんだ。
ここ連日大変だったのに、そんなの誰もが知ってるのに。
JK「…A」
「ジョングギおかえり」
JK「…大変だったろ。大丈夫か?」
「あたしは平気だよ!心配してくれてありがとう」
ああ、やっぱり。
その強がる言葉も笑顔も苦しくて痛くて…どうにか吐き出させてやりたいと思ったらメイクさんのAを呼ぶ声。
声をかける前にAはイスに座った。
俺からAの“平気”の話を聞いていたヒョン達はみんな複雑そうな顔をしていて。
俺たちも準備をしなくちゃいけなくて、仕方なく控室に戻る。
JM「…痩せたよねA」
TH「…俺もそう思った。もっと細くなってた」
YG「…平気だって、言ったなあいつ」
JH「…ジョングギの言う通りだとしたら…」
RM「…心配かけまいとしてるんだろ」
JN「…あの笑顔が、今は切なく感じるよ」
JK「……」
ウソだと知っていても、強がってると気付いていても、何も出来ないなんて。
つらいでも悲しいでも、何でもいいからたった一言口にしてくれたら…手を伸ばしてくれたら、その手を掴んでやれるのに。
それすらもさせてくれないなんて、どうすればいいんだ。
…分かってるよ。
俺の自己満足を果たしてもお前は喜ばないって。(だけどこんなのつらすぎる)
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作者名:クレア | 作成日時:2017年4月30日 13時