Juliet☆GAME S3 (ページ3)

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LuV@ユンギページ3

寝たふりをした。

世間一般で言えば“抱き合った”ことが何か無性に気まずくて。

ただ喜びを分かち合う表現の１つじゃねーか。…と、言い聞かせられないのが情けない。

戻ってきたAが、すぐに俺を起こさないように静かに作業を始めていたのが薄目から見えた。

「……」

コーヒーを飲みながら作業してたAは俺と違って本当に寝てしまったようで。

その様子を見て俺は起き上がった。

「(…どうせ寝てなかったんだろ)」

作業室にみられる膨大な作業量のあれこれ。

こいつも休みのたびにこもってるんだろうなと思うと、なぜか笑えた。(似てるよ“誰か”と)

数分立って眺めてたら、イタズラ心が芽生えた。

隣に座ってやれば目が覚めて驚くだろう。

…そう思って座ってみたら……起きない。

それどころか座った拍子に座面が沈んで、俺に凭れかかってきたA。

「(…こんなつもりじゃなかった)」

動揺してるのか何なのか、手元にあったブランケットをAにかけてみる(何してんだ俺)

右腕と右肩の体温が心地よくて…子どものように眠る姿が妙に胸をくすぐって。

俺に身体を預けたお前に俺を預けて、このまま意識を手放すのもいいのかもしれない。

YR「何このシーン…！こんなチャンス無い！(カシャカシャッ)」

「…何してんだ」

YR「えっ」

「……」

YR「すみません、あんまりカップルみたいに寝てたので…！」

「…見せろ」

騒ぐ声に目を開ければ、ユリが目の前に。

しかもカシャカシャとカメラの音がしてて眉間に皺を寄せて聞けばその答え。

…興味が出ないわけないだろ。

ユリの携帯には、ブランケットをかけて俺の肩に頭を乗せるAと、Aの頭に自分の頭を乗せて眠る俺の姿があった。

YR「け、消します…」

「…送っといて」

YR「へっ？！」

「…俺のトークに」

ニヤニヤ顔を隠そうともしないユリがAを起こそうとしたから、“時間ギリギリまで寝させてやってくれ”と頼む。

了承の返事をして一旦この場を離れるユリの目を盗んで、俺はいまだ寝ているAの寝顔を自分の携帯におさめた。

こいつの作りだす音に魅かれたはずが、今じゃ創り出されるものより本人の方が気になって。

なんだろうな、この感覚。

胸の奥底から何かが引き摺りだされる感覚。

だけどそれよりも…悪くない、と思うこの感情が一番謎だ。

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