LuV@ジョングク ページ18
中学に入ってクラスも増えて…思春期ってやつを迎えたのか、俺は今までみたいにAに接することが出来なくて。
それでもAは変わらなかった。
俺の名を呼ぶ声は優しくて…笑いかけるその顔は、ずっと可愛い。
Aはモテたから、ちょっかい出そうとする男子にくぎを刺して回ったのも懐かしい。
高校になってからは下手なことも出来なくなって…
だけどA自身が、“あたしにはやりたいことがあるから”とどれも全て断っていた。
その事実に安心して…同じ夢に向かって頑張っていることが本当に誇らしかったんだ。
「デビュー日決まった!!」
「おめでとうジョングギ!本当に良かったね!!」
「俺の一番のファンになってくれる?」
「当たり前だよっ!」
1番に伝えたら、涙を浮かべて自分のことのように喜んでくれた。
“あたしも頑張るね!”“ああ、待ってる!”
そんな約束をしてから3年が経とうとした頃、急に知らされた後輩グループのデビュー。
どんなボーイズグループだろうって思っていたら妹分で…デビュー3ヶ月前に聞かされたAからの話に俺は驚いて…そして、心の底から嬉しかった。
「やっとスタートラインに立てたよジョングギ!」
「おめでとうA本当にうれしいよ俺!」
「ジョングギにそう言ってもらえるのが一番嬉しい、ありがとう!」
幸せそうに笑うAを見て、俺も幸せな気分になった。
ずっと努力し続けてきたこと誰よりも知ってる。
“これからはライバルだな”と言えば、目を輝かせて俺を見るAの姿に…『恋愛禁止』という四文字を恨めしいと思った。
デビューすれば今まで以上に人目に触れて…そうしたらきっと、いや絶対Aに好意を持つ人が出てくる。
取られたくない。
子どもみたいだって分かってる。
だけど誰かのものになるAなんて見たくないから。
幼馴染だって公表出来るのは、都合がよかった。
俺が誰よりも近い所にいるんだって…みんなが知らないAを知っているんだって…
その他大勢なんて“お呼びじゃない”なんて無言の圧力。
…それは兄達には全く通用しなかったみたいだけど。
渡せない。
渡したくない。
渡すわけ、ない。
こんな俺の黒い感情をAが知ったら、どう思うんだろうな。(言ってしまいたいと思う自分がいることは、否定しないけど)
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作者名:クレア | 作成日時:2017年4月30日 13時