知らなかったこと JK side ページ17
カンシムジャンの収録で知った、Aの病気。
Aのお母さんが病気で亡くなっていることは聞いていたけど…Aまでもがその病気にかかっているなんて知らなくて。
本当にショックだった。
病気にかかったことも、俺には話してくれなかったことも。
JK「何で隠してたんだ。色んな人と同じタイミングで聞かされるなんて、ショックだった」
「ジョングガ…」
JK「…お前にとって、俺はそこまでの存在なのかよ」
「そんなこと言ってないよ…」
JK「じゃあ何で！！」
声を荒げたって何も変わらないのに、苛立ちと悲しさがそれを止める事はしない。
家族と同じくらい大切に思ってるよ。
…ずっと愛しく思ってるのに、伝わらないのか。
「デビューを心から喜んで欲しかった。どんな時も応援してくれて…デビューを待っていてくれた人だから」
JK「……」
「それに、心配かけると思って状態が良くなるまで言えなかったの」
JK「心配することの何が悪いんだよ…」
「あたしが欲しいのは心配じゃないよ。ライバルだって言ってもらえたのが本当に嬉しかった。まだずっと未熟だけど、本気でぶつかってほしかったから」
言ってることは分かるよ。
病気を知らされていてもきっとデビューは喜んだ。
だけどAが思う通り、きっと俺は心配が先に来てしまっていたとも思う。
「あたしの勝手な思いで、ジョングギに伝えなくて本当に悪かったと思ってる…」
JK「お前に関することの全てを俺に知らせる義務なんて無いのは分かってる。だけど何かあった時に何も出来ないのも、後から知らされてこんなにつらいのも俺は……嫌だ」
ワガママ言ってるのなんて百も承知だ。
誰よりつらいのはAだって言うのに、八つ当たりもいい所で。
だけど俺の思いだって知ってほしい。
誰より思ってることを。
これからもずっと隣にいたいってことを。
「泣かないで…」
JK「え…」
Aの言葉で、自分が泣いていたことを知った。
なんて情けないんだろう。
自分の病気を告白したAだって泣かなかったのに、なぜ俺が泣くんだよ。
「ごめんねジョングギ…」
JK「…っ……」
名前を呼ぶ声があまりにも優しかったから…俺は涙を止めることは出来なくて。
ただAを抱きしめて縋るように泣き続けるだけ。
俺の背中をさする小さな手が愛しくて、離さないように離れないように両腕に力を込めた。
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作者名：クレア | 作成日時：2017年4月30日 13時
