9.帰 ページ9
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夕焼けの朱色が染めている地面を
2人で並んで病院までの道を歩く
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「…………なぁ、Aちゃん」
『……なに?』
「今日楽しかった?」
『楽しかったよ、子供達も、可愛かった』
「んふふ、殆どがうちの病院の子やけどな」
『うそ、だってあの子たち流星くんのこと知らなかったじゃない』
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それはぁ〜〜俺がAちゃん専用のお医者さんやから?笑
なんて言って、前を向いたまま目尻を下げて笑う彼の顔を横から見る
……彼は、ともと話をしたりしているのかな
今のとものことも知ってるのかな
…………まぁ、ともが何をしていようが私にはもう関係ない
そう、もう考えても意味がない
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「Aちゃん、また俺とお散歩してな?」
『…………うん。する。』
「えへへ、楽しみにしとるわ」
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とものことより気になるのは流星くんのこと
流星くんは恋人とかいないのかな
いつからこの病院にいるんだろう
なんで医師になろうと思ったのかな
そういえば高校の時から頭良かったっけ
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「Aちゃーん?なんかぼーっとしとるな。笑」
『……え?いや、なんでもないよ』
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ふにゃりと笑うと下がる垂れ目に表れる笑窪
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『わっ、』
「っぶな。笑 コケるところやったね」
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転びそうになって、太く、逞しい腕に支えられる
心臓が飛び跳ねた
今思えば歩く速度も私の歩幅に合わせてくれてる
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「今日の夜ご飯なんやろ〜〜肉食いたいわぁ」
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彼の笑顔と、優しさが胸に染み渡って
ぱちん、と弾けた
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『…………流星くん』
「ん?なに?」
『…………なんでも、ない』
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こんなに、男の人のことを考えるのは人生で二度目だ
きっと、たぶん、私は、彼のことが__
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だけど、やっぱり怖い
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青いみかん(プロフ) - ★さん» 指摘ありがとうございますm(__)m訂正しました (2017年12月10日 11時) (レス) id: 07f408f476 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 11【こうなる事わかってくせに】→わかってるくせに では? (2017年12月6日 17時) (レス) id: 44661be576 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏. | 作成日時:2017年11月25日 21時