8.良 ページ8
( 藤井 side. )
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いつもならどこに行くにも持っていく彼女のあの本
内容はすれ違いの後、困難を乗り換えながらも結ばれる恋のお話
2人はその本のような幸せを望んでいた
…………叶わなかったけれど
そんなことは置いておいて、
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「Aちゃん、今日はあの本持ってないんやね？」
『……？あ、……忘れてきた』
「……。」
『……。』
「『……ふっ、』」
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公園に俺とAちゃんの笑い声が響く
彼女は俺が思ってたよりも前に進もうという思いが強いみたいで、
何かに囚われていたように常時持っていたあの本をぽろっと簡単に置いてきた
あの本が神ちゃんを思い出す根源で、彼女はきっとまだ手放すことができないんだろうなと思っていたのに
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『なんか、普通に忘れてきちゃった』
「うん、まぁいいことだとは思うんやけど……」
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彼女を縛るモノの１つだと思っていたソレが
いとも簡単に無くなってしまって少し拍子抜ける
ふと隣にあった影が見えなくなって顔を上げて見れば小さな子に混じって遊ぶ彼女
…………そーいえば神ちゃんが無邪気に遊ぶAちゃんほんまかわええから！とか言っとったなぁ
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「つぎ！おねーちゃんの番だよ！！」
『んんん、こうかな？』
「あはは！へったくそだぁ！！」
『あはは……よし！！次！！』
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今までに見たこともない笑顔で笑う彼女を見て、医者として嬉しい気持ちに包まれる
……そして、男としてその笑顔を守りたいという気持ちにも包まれた
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「Aちゃん、そろそろ帰ろか」
『っ！もうそんな時間？夢中になってた……』
「あはは、無邪気で可愛かったで？」
『恥ずかしいからやめて』
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ガキンチョ達がかれしー？やらいけめんだー！やら騒ぐ
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『か、かれし！？違うよ、私のお友達』
「えーちがうのかぁ〜」
「…………。」
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…………俺はそうなれたらいいなって思っとるけどね
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青いみかん(プロフ) - ★さん» 指摘ありがとうございますm(__)m訂正しました (2017年12月10日 11時) (
レス) id: 07f408f476 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 11【こうなる事わかってくせに】→わかってるくせに では？ (2017年12月6日 17時) (レス) id: 44661be576 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏. | 作成日時：2017年11月25日 21時
