4.忘 ページ4
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『流星くん、お話があります』
「ん〜〜？それはお医者さんの俺？それとも同級生の俺？」
『……どっちも』
「…………ん、なーに？」
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窓が開いていて少し冷たい風が吹く流星くんの部屋
普通はふらりと入れるようなところではないけどこの病院はゆるい
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椅子に座って診察のように向かい合って話す
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『…………神山くんを、忘れさせて、欲しい』
「……え」
『私も、前に進みたい、終わった恋を引きずっても、意味ないから』
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本を捨てることはきっとまだできない
でも、少しずつ、少しずつ彼のことを忘れられたら……
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「Aちゃんが忘れたいのは、神ちゃんとの思い出？それとも、神ちゃんへの想い？……それとも、どっちも？」
『え、神山くん、自身を、かな……？』
「思い出は、忘れたらあかんよ、だから、神ちゃんへの想いだけ、Aちゃんの心から消そう。君の病気を治すのは、これしか、ない」
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哀しそうに笑う流星くんの顔が頭から離れなかった
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病室に戻っていつも持ち歩いている本を開く
最後のページには彼と私の名前が筆記体で書いてある
彼の名前を親指でなぞる
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『ともひろ、かみ、やま』
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流星くんほどじゃなかったけどモテていた彼
そんな彼が私に告白してくれたときは本当に嬉しかった
この人と一生幸せになれるものだと思っていた
神山くんを心から信じていた
だからこそ、こんなことになってる
人を信じれない、またこうなることが怖い、その場で泣かないよう我慢した、
全てがこの病気の原因といっても過言じゃないと思う
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もう夕暮れ時なのに、泣きそうだ
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青いみかん(プロフ) - ★さん» 指摘ありがとうございますm(__)m訂正しました (2017年12月10日 11時) (
レス) id: 07f408f476 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 11【こうなる事わかってくせに】→わかってるくせに では？ (2017年12月6日 17時) (レス) id: 44661be576 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏. | 作成日時：2017年11月25日 21時
