15.夕 ページ15
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世間話をしながらぶらぶらと歩いていたら日も沈んできて、辺りは橙色に染まっていた
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「あれ、いつの間にか周りがオレンジや」
『本当だ、あっという間だったね、もう少し話してたかったかな』
「…………。」
『な、なに？』
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じぃっとこちらを見つめてきて、少しふっと息を吐いて笑ったと思えば
今までに見たことないぐらい柔らかい笑顔で
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「……名残惜しいって思ってくれてるってことやね」
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なんて言われて、すこし、いや、だいぶ顔が熱くなった
そっかそっか〜〜なんていいながらスキップでもし始めそうなぐらい軽快な足取りで進んでいく
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『うん。そうだよ、って言ったら？』
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後ろからすこしからかうように聞いてみれば
こちらを向いてキョトン顔をする、と同時にふはっ、て吹き出して
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「…………めーーっちゃ、嬉しいわ」
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なんて、眉を下げて愛でるような目でこちらを見るから、
今度こそ恥ずかしくなって顔を手で覆った
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ともに言われた言葉の意味
不憫だなんてとんでもない、私だって彼の言動についてすこしは考えて、
多少は理解してるつもり
私はそこまで鈍くない
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「…………Aちゃんのビョーキが治って、退院したら、水族館行こか」
『……え？』
「ここは植物ばっかりの山やからさ、反対に、海の生き物見にいこうや」
『……行きたい、』
「うっし！笑 決まりやな」
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突然の誘いに戸惑ったけれど、勿論断るはずもなく約束を交わす
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「…………そのとき、聞いて欲しい話あるから。」
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真面目な顔をしていう彼に、息を飲んだ
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流星くんがそのとき言おうとしていることが、私が貴方にして欲しい話と同じだといいな
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青いみかん(プロフ) - ★さん» 指摘ありがとうございますm(__)m訂正しました (2017年12月10日 11時) (
レス) id: 07f408f476 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 11【こうなる事わかってくせに】→わかってるくせに では？ (2017年12月6日 17時) (レス) id: 44661be576 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏. | 作成日時：2017年11月25日 21時
