四十箇所目 ページ41
Aside
気が付くと朝になっていた。ルフィは珍しく眠らず、ずっとあたしの話をしていたが、朝日が見えると同時に慌てた様子であたしに顔を隠すように言い出した。
言われなくともそうするつもりだと、帽子とマスクをつけ、さて掃除をするかと立ち上がる。
「A！」
「ん？ どうしたのルフィ……」
「おはよう！ 大好きだ！」
「！」
不意打ちの一言に、あたしは驚きのあまり相棒を落としそうになった。本当にこの子はよくもそんな恥ずかしい事をさらりと言えたもんだね。
「しっしっし、他のやつらよりも先に言いたかったからよ。あー腹減ったなー」
「っ……あたし掃除してくるから見張りお願いねっ！」
恥ずかしさを紛らわそうと、あたしは甲板を飛び出した。マスク越しでも分かる程にあたしの顔は真っ赤になっているだろうね。
「A、これマジでうめーから食ってみてくれ！」
「ちょっとルフィどうしちゃったのよ、あんたが誰かにご飯を譲るなんて……何か悪いものでも食べたんじゃないの？」
「だって俺、Aが好きだからな！」
みんながいる前でも、ルフィは恥ずかしくなる発言をし、あたしは平静を装うのに必死になる。素直な子だとは思ってたけど、ここまで来ると問題だ。
「Aー！」
「……」
「Aってばー！」
「……今度は何？」
「しっしっし、A好きだ！」
事ある毎にそう言われ、まともに顔を見れなくなっていた。止めてほしいと思う反面、誰かに大事にされているという感覚がくすぐったい。
「おいA、ちょっと手合わせを……」
「ダメだ！ Aはこれから俺と遊ぶんだ！」
「え、ちょっと何勝手に決めて……」
「俺を追っ掛けてくれよ、行くぞー！」
「ちょっとそれ、あたしの相棒！ 返しなさいルフィ！」
さっきまで恥ずかしい事を言っていたのに、今度は子供のようにはしゃいで甘えてくる。そんな彼を拒めないのは、きっとあたしもルフィを意識し始めているからなんだろう。
「捕まえた！ さあ相棒を返し……」
「しっしっし、お前早えーな！ やっぱり俺、Aが大好きだ！」
正面から抱き締められ、あたしは完全に思考停止してしまう。対するルフィは嬉しそうにあたしの顔を覗き込み、マスクを少しだけずらす。
「A、顔真っ赤だぞ？」
「誰のせいだと思って……！」
「……可愛いな、A」
いつもより低い声で、あたしの耳元で囁いたルフィは、真剣な目をして、マスクを戻すとまた抱きしめた。本当に心臓に悪い……
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ポプリん(プロフ) - 翠さん» 翠様、コメント下さりありがとうございます！ 身に余るお言葉の数々、痛み入ります。本当にありがとうございます！ 次回は短編に挑みたいと考えておりますので、是非また楽しんでいただけたらと思います！ (2023年3月28日 8時) (
レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - まおさん» まお様、コメント下さりありがとうございます！ 応援までしていただけて本当に嬉しいです！ 素敵なアイデアありがとうございます♪シチュ溜めをして短編にしようと思うので、他にもアイデアあれば是非教えてください！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - きてぃーさん» きてぃー様、コメント下さりありがとうございます！ 遂に完結させることが出来ました、応援して下さり本当にありがとうございました！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素敵なお話で前から応援させていただいていました。とても好きな作品でした。お疲れ様でした。 (2023年3月27日 13時) (レス) @page50 id: 090a3776e1 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！イチャイチャや嫉妬する姿見てみたいです（ ; ; ）🌟 (2023年3月27日 3時) (レス) @page50 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポプリん | 作成日時：2022年8月14日 18時
