三十二箇所目 ページ33
Aside
「お父さん、身体にはくれぐれも気を付けてね？」
「娘に心配されるってのも悪くねえな、おめえも気を付けろよ、近頃はかなり物騒だからなァ」
お父さんと話をしていると、そっと何かを渡される。見るとカタツムリのような形をしているものと、紙切れのようなものだった。
「こいつは電伝虫と俺のビブルカードだ。何かある時はこいつで連絡しろ。ビブルカードがあれば居場所が分かるからな」
「こんなものがあるんだ……ありがとう、お父さん」
「なぁに、一人娘が心配だからなァ！ グララララ！」
そう言って笑うお父さんは、あたしの頭に手を置く。不思議と安心だ、何だか懐かしい……こうして誰かに頭を撫でられるのは何十年ぶりだろうか。
「A」
「……エース兄ちゃん」
「ルフィを頼むな、大変な事が多いかもしんねーけど……」
「もう慣れたものだよ、エース兄ちゃんこそマルコ兄ちゃんの事気にかけてやってね？」
「おう、任せとけ！」
遠ざかっていくお父さん達の船に、あたしは見えなくなるまで手を振る。するといつの間に横にいたのか、ルフィも同じように手を振っていた。
「ルフィー！ 応援してるからなー！」
「……！ エースー！ ありがとうなー！」
兄弟の別れを目の前にし、あたしは見えなくなったお父さん達の船が行った方向を何時までも見ていた。家族と別れるのは、やはり寂しいものだ。今回の場合はまた会える可能性があるけど……
「ルフィ、エース兄ちゃんと何を話してたの？」
「……内緒だ！」
やけに焦った様子のルフィに疑問を抱きつつ、あたしは貰った電伝虫とビブルカードを部屋に置きにいき、掃除の続きをしようと戻る。
「A！」
「びっくりした……どうしたのルフィ」
「……やっぱりなんでもねえ」
「そう？ 何かあるなら聞くけど……じゃああたしは掃除を……」
「……」
「……ルフィ」
「な、なんだ？」
あたしが動こうとする度に、ルフィは力を入れて抱き着いてくる。何時もよりかなり動きにくいし、何より様子が明らかにおかしい。
「何かあったの？」
「何もねえ！」
「……じゃあ離れて、掃除がしにくい」
「嫌だ！」
いつものわがままかと思ったが、その時ふと、エース兄ちゃんの言葉を思い出した。成程、そういう事か……あたしはルフィに向き直ると、そっとルフィを抱き寄せた。
「よしよし……」
「A……？」
「お兄ちゃんが居なくなって寂しいんだね。今日は沢山甘えていいよ？」
「……そうじゃねえ！」
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ポプリん(プロフ) - 翠さん» 翠様、コメント下さりありがとうございます！ 身に余るお言葉の数々、痛み入ります。本当にありがとうございます！ 次回は短編に挑みたいと考えておりますので、是非また楽しんでいただけたらと思います！ (2023年3月28日 8時) (
レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - まおさん» まお様、コメント下さりありがとうございます！ 応援までしていただけて本当に嬉しいです！ 素敵なアイデアありがとうございます♪シチュ溜めをして短編にしようと思うので、他にもアイデアあれば是非教えてください！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - きてぃーさん» きてぃー様、コメント下さりありがとうございます！ 遂に完結させることが出来ました、応援して下さり本当にありがとうございました！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素敵なお話で前から応援させていただいていました。とても好きな作品でした。お疲れ様でした。 (2023年3月27日 13時) (レス) @page50 id: 090a3776e1 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！イチャイチャや嫉妬する姿見てみたいです（ ; ; ）🌟 (2023年3月27日 3時) (レス) @page50 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポプリん | 作成日時：2022年8月14日 18時
