三十箇所目 ページ31
マルコside
俺は今日家族になったAの言葉に固まっていた。
まさかこんな事を言われるとは思ってなかったよい……
「守られる側だって、心が痛いんだよ。本当は自分も同じように体を張って守りたいのに、前に出ると迷惑をかけちゃうし。同じように思っているのに、同じように守れないのが悔しくて辛いの。それにマルコ兄ちゃんの場合は長男としての責任を一番強く感じてるだろうから、何をするにしても自分でやらなくちゃって思ってるよね？」
「……まあ、それはあるけどねい」
「他の兄ちゃん達、きっとマルコ兄ちゃんにもっと頼って欲しいって思ってるんじゃないかな。マルコ兄ちゃんが戦闘の時に最前線で戦ってくれるように、他の兄ちゃん達もマルコ兄ちゃんの為に支えたいって思ってるんだよ」
Aはそう言うと、俺の目をじっと見てから笑った。
目だけしか見えねえが、綺麗な子だってのは分かる……って俺は妹相手に何を考えてるんだよい！
「だからさ、マルコ兄ちゃん……あたし達家族に背中、預からせてよ」
「！」
「戦闘では支えられないかもしれないけどさ、日常生活の中でとか些細な事でもいいからさ……あたし達にも、守らせてよ。マルコ兄ちゃんがあたし達に預けてもいいってものをさ……これは妹からのお願いってことで、聞いてくれる？」
いたずらっぽく言ったAの目は真剣そのもので、俺は吸い寄せられるような感覚になる。今まで言われたことの無い事を言われ、挙句妹からのお願いという新鮮でくすぐったい事を……何よりドキッとしちまったよい。
妹って、こんなに可愛いものなのかねい……そんなこと言われたら聞かない訳にはいかなくなるよい。
「……分かったよい」
「ありがとう、マルコ兄ちゃん。これからはあたし達にも、マルコ兄ちゃんを守らせてね？ それから、いくら怪我してもすぐ治るからって最前線で頑張りすぎないで。守られる側は分かってても凄く辛いんだから……もっと自分の事大事にして欲しい。これは妹との約束！」
「っ……よい……」
「お父さんも言ってたけど、あたし達は離れてても家族だから……マルコ兄ちゃんの事遠くから見守ってる。次会った時に無理してたら許さないからね！」
ビシッと指を立てて俺に言うAは、少しだけ悲しそうに見えた。まるで誰かと俺を重ねて言ってるみたいに感じたねい……こいつも何か抱えているみたいだが、いつか話してくれる日が来るといいねい。その時はAの背中も、俺に預けてくれよい？
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ポプリん(プロフ) - 翠さん» 翠様、コメント下さりありがとうございます！ 身に余るお言葉の数々、痛み入ります。本当にありがとうございます！ 次回は短編に挑みたいと考えておりますので、是非また楽しんでいただけたらと思います！ (2023年3月28日 8時) (
レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - まおさん» まお様、コメント下さりありがとうございます！ 応援までしていただけて本当に嬉しいです！ 素敵なアイデアありがとうございます♪シチュ溜めをして短編にしようと思うので、他にもアイデアあれば是非教えてください！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - きてぃーさん» きてぃー様、コメント下さりありがとうございます！ 遂に完結させることが出来ました、応援して下さり本当にありがとうございました！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素敵なお話で前から応援させていただいていました。とても好きな作品でした。お疲れ様でした。 (2023年3月27日 13時) (レス) @page50 id: 090a3776e1 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！イチャイチャや嫉妬する姿見てみたいです（ ; ; ）🌟 (2023年3月27日 3時) (レス) @page50 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポプリん | 作成日時：2022年8月14日 18時
