二十箇所目 ページ21
Aside
「へぇ、ルフィには兄弟がいるんだ」
「おう！ エースとサボってんだ！」
ルフィは楽しそうに自分の話をする。兄弟……その言葉に少しだけ心がざわつくのを抑えながら、あたしは耳を傾ける。
「つっても血は繋がってねーけどな！」
「あ、そうなの？ でもいいね、経緯はどうであれ大事な人がいるっていい事だもん。会ってみたいなぁ……きっとルフィに似て賑やかなんだろうな」
「おう！ 俺もAに会わせてみてぇ！ あいつら絶対驚くぞー！」
「……それはどういう意味で驚くと思ってんの？ まあいいけど」
ルフィの頭を撫でながら、あたしは二人を想像してみる。血の繋がりはないとはいえ、互いを思いやる気持ちは変わらない。これからもこの繋がりは絶対に切れることは無いだろう……何があっても。
「そういや、エースの写真ならあるぞ！ これだ！」
「あはは、どことなくルフィに似てる気がする。それに暖かい人なんだろうなって感じがするよ」
「ししし！ あー早くあいつらに会わせてーなー」
「ルフィは本当に二人が大好きなんだね、ふふ」
あたしは空を見上げ、目を閉じる。今、あの子は笑っているだろうか。見守っていてくれているだろうか。
「……」
「どした？ A」
「ううん、何でもない。あ、見てルフィ……流れ星」
「すっげーな！ あれ取れっかなー？」
「流石に無理だよ、流れ終わるまでにお願い事三回言うと願いが叶うっていうよね」
「そうなのか！ よーし、次流れたら言うぞー！」
しばらくして、流れ星が空に弧を描いて消えていったが、ルフィは無言のまま見つめているだけだった。願い事を考えすぎて忘れたのかと思っていると、ルフィはあたしを後ろから抱きしめ直すと、嬉しそうに言った。
「よし、言った！」
「え？ でも何も言ってなかったよね？」
「ししし、心で言ったから大丈夫だ！ それに三倍でけー声で言ったから叶うだろ！」
「……あはは、あんたらしいね。きっと叶うよ、ルフィの願い」
大方海賊王になるとかなんだろうけど、ルフィならなれる気がする。星に願うまでもなく、自分の力でね。
「本当に叶えたい事がある時は言葉より心で語れ。ルフィも知っていたから心で言ったんでしょ？」
「おう！ 昔サボに聞いたんだ！」
「あんたの願い事、大事にしないとね」
ルフィの頭を撫で、あたしは空を見上げる。あたしの願いは大き過ぎるから、星に委ねられないからね。せめてルフィの願いだけでも、叶えてやってね。
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ポプリん(プロフ) - 翠さん» 翠様、コメント下さりありがとうございます！ 身に余るお言葉の数々、痛み入ります。本当にありがとうございます！ 次回は短編に挑みたいと考えておりますので、是非また楽しんでいただけたらと思います！ (2023年3月28日 8時) (
レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - まおさん» まお様、コメント下さりありがとうございます！ 応援までしていただけて本当に嬉しいです！ 素敵なアイデアありがとうございます♪シチュ溜めをして短編にしようと思うので、他にもアイデアあれば是非教えてください！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
ポプリん(プロフ) - きてぃーさん» きてぃー様、コメント下さりありがとうございます！ 遂に完結させることが出来ました、応援して下さり本当にありがとうございました！ (2023年3月28日 8時) (レス) id: 7e262a9db9 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても素敵なお話で前から応援させていただいていました。とても好きな作品でした。お疲れ様でした。 (2023年3月27日 13時) (レス) @page50 id: 090a3776e1 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 更新楽しみにしてました！！イチャイチャや嫉妬する姿見てみたいです（ ; ; ）🌟 (2023年3月27日 3時) (レス) @page50 id: 2c8060619c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポプリん | 作成日時：2022年8月14日 18時
