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「あ、あの…崇裕たちは…。」
望 「ううん、今日は如月さんに会いに来たんや。」
「私に?の…小瀧さんが?」
望 「望美でいいよ。私もAちゃんって呼んでええかな?」
「おおお、恐れ多いです…」
恐縮しまくる私に、望美さんが悪戯っぽく笑う。
望 「ねえAちゃん、出かけよう!」
「出かけるって、大丈夫なんですか?あ…わあ!?」
質問もそこそこに、ぐいっと腕を引っ張られた。
そのまま、スタスタと歩いていく望美さんについていく形になる。
望 「友達と遊びに行くの、久しぶりやなぁ。どこから行こうかな。」
『…久しぶりなんや。そっか、忙しいもんな。』
望美さんは昨年、アリーナツアーをしていたし、海外のフェスにも呼ばれていた。
合間にシングル3枚、アルバム1枚。CMや雑誌やバラエティー番組にも出て、モデルでは雑誌の表紙を5回もしていて、うちの両親も「このこ、よく顔を見るわね。」なんて言って、自然と名前を覚えていた見たいやった。
そんな人が、母校とはいえわざわざ文化祭のライブで歌ってくれる。
しかも新曲を用意してきてくれて、一緒にステージにたとうって言ってくれてる。
『いつまでも緊張とかきがひけるとか、そういうの理由にして逃げてちゃダメや』
せっかく時間を作ってくれたんやもん、ここで距離を縮めなきゃ!
「望美さん、甘いの好きですか?」
望 「もちろん!大好きよ!」
「じゃあクレープ屋さん行きませんか?駅前に、すっごい美味しいとこあるんです。」
・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚
クレープを食べたあとは、ショッピングモールを回ることにした。
望美さんに洋服を見てもらって、今日だけでぐっとセンスが良くなった気がする。
日が暮れる頃には、すっかり「Aちゃん」って呼ばれるのにも慣れていた。
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作者名:真奈美 | 作成日時:2018年4月22日 0時