Last song ページ29
「ねえ、あれが望美さんの乗ってる飛行機かな?」
放課後の視聴覚室で、私と崇裕は並んで窓の外を眺めている。
文化祭が終わり、高三の私たちは受験モード一色になった。
智子は重岡くんと同じ大学に行くって決めて一緒に勉強を頑張っている。しかも、卒業したら同棲すると決めてるらしい。
『智子は智子でかなりラブラブオーラーを出しているもんな』
文化祭では生徒会が企画した『ラブラブカップル決定戦!』で智子と重岡くんカップルとかなりの接戦の末私達は2位という結果だった。3位は何故か桐子先生と中間先生のペアだった。
どうやら、先生達から1組出て欲しかったらしく桐子先生が自ら中間先生とやると立候補したらしい。
『てか、決勝戦お姫様抱っこしたまま校舎を1周してくるって!しかも、ミッションやばすぎだし!!ポッキーゲームや耳元で囁くとか!智子め!!』
まぁ、楽しかったからいいけどね!
そんな中でも、崇裕は変わらず部活に精を出している。
でも、それは────今だけ許された、特別な私達だけの時間。
「崇裕、私な……願書出してきたで」
飛行機が見えなくなってから、私は崇裕に向き直った。
大事な決意を伝えるために。
「来年の春は、一緒に東京に行こう」
崇 「A!?それって──……」
「私はスタイリストの道を究める。それで、崇裕や望美さんのヘアメイクを担当したい。それに、崇裕の横で、ずっと崇裕の歌を聴いてたい。」
崇裕の見開いた瞳は揺れていて、それからふっと伏せられた。
心臓が痛いくらいになる中、崇裕の口元に笑みが浮かんで、抱きしめられた。
私は、私達は乗り越えられたんやとわかる。
崇 「Aなら来るって信じてた」
「……信じてくれて、ありがとう」
夕陽に染まる部屋で、私達は口付けをした。
♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・¤゚♫彡。.:・*゚ Fin
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作者名:真奈美 | 作成日時:2018年4月22日 0時