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文化祭当日
初日はあいにくの天気やったけど、二日目の今日は快晴。
過去最多の来場者達が、今年も中庭に設営されたステージをぐるりと取り囲む。
輪の外には、チケットを手に入れられへんかったらしい保護者や先生達の姿があった。
逃げ場のない熱気が、ジリジリとステージ裏まで届いてくる。
「予想はしてたけど、すごい数やね……」
そわそわと落ち着かんくて、何度もキーボードのセッティングを確かめてまう。
一つ前のダンス部が流す軽快な音楽も、ほとんど耳に入ってこうへん。
崇 「あれあれー？なんやなんやAちゃーん、もしかして緊張してはるん？」
「……まあ、それなりにな」
崇 「そっか、でも大丈夫や！ってか、取り越し苦労？あのお客さん達は、この学園の王子こと�霤朕鰺気鮓�にきてるんやからっ☆」
忘れてた……。元々はチャラ男やってことを！
「……崇裕……いまさらそのキャラ、無理あるで」
崇 「チョッチョッ！？待って、話し合えばわかるから！！めっちゃ冷静にツッコまれると、ほんまいたたまれないねん！そのあわれむような視線も止めてえなぁぁぁぁぁぁ！」
私・望 「うるさい！！」
え？今、声が被った？
パッと振り返ると、そこには衣装に身を包んだ望美さんがいた。
歌う前やのに、オーラがハンパない！
せわしなく動いてたスタッフ達も、みんなピタッと手が止まってる。
実行委員の人達は目を閉じて、右手を心臓にあてていた。
『ここ、軍隊学校やっけ？』
私は走り寄り、勢いよくお辞儀をした。
ありったけの感謝の気持ちをこめて。
望 「えっ、Aちゃん！？ちょっと、頭あげて！！」
「望美さん！本当に、本当にありがとうございます！！」
言いながら、涙が溢れてくる。
望美さんはそっと指で拭ってくれて、とびきりの笑顔を弾けさせた。
望 「お礼を言うのは早いんちゃう？皆で最高のステージにしましょう！！」
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作者名：真奈美 | 作成日時：2018年4月22日 0時
