今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:4,834 hit
小｜中｜大
20 〜崇裕said〜 ページ20
望美が小さく息をのむ音が聞こえた。
澄んだ瞳は俺の中に何かを見つけたのか、やがてそっと視線が外れた。
望 「すごいな……。ほんまにすごい。濱ちゃんもAちゃんも、眩しすぎる。」
一瞬、望美が泣いてんのかと思った。
だけど再び顔をあげた時、望美は太陽みたいな笑みを浮かべてた。
崇 「今は少しすれ違ってて、以前の俺なら、みっともなくあたふたしてたと思う。でも、信じてるから。あいつはきっと俺の気持ちを分かってくれるって、そう信じてる。」
望 「私も、二人を信じてる」
深い意味はなかったと思う。
望美も自覚していないくらい。
けど、確かに彼女の指は、長い髪をくるくると巻きつけていて。
崇 『……そういう癖も変わってないんやな……』
望美は、泣き虫の俺の横で、自分の弱音を吐かず、いつも笑顔やった。
それでも不安な時とか、元気がない時は、少しだけサインが出る。
俺はいろんな想いごと、今は見下ろせるようになった望美を抱き寄せた。
望 「……濱ちゃん？」
すぐ近くで、望美の声が聞こえる。
崇 「俺さ、望美には甘えてばっかで、支えてもらってばっかで……。やから望美のことが好きやっていうのも、憧れとかそういうのやったのかなって思ったんや。」
望 「……うん」
崇 「でもやっぱ、あれが俺の初恋やったと思う。」
望 「……うん」
崇 「これからは泣き虫カレシとしてやなく、大事な友達として応援してるから。」
望美は何度か深呼吸して、笑顔でこう言った。
望 「ありがとう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真奈美 | 作成日時：2018年4月22日 0時
