スキキライ～Takahiro.Hamada～ (ページ24)

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その日は、どうやって帰ったのか覚えてへん。

気がつくと、夕飯も食べずに、ただひたすら暗い部屋でベットに寝転がってた。

『なんか全部夢見たいや。』

だけど手の中で光るペンダントが、夢やないって主張してくる。

『スキとキライ・・・。あかん、全然わからんよ。』

でも、胸の中がじんわりと熱いことはわかる。

何かを訴えるように、心臓の音がいつもよりはっきり聞こえる。

甘くて、苦しい・・・。

この気持ちは、いったいなんなん？

・*:..｡o♬*ﾟ・*:..｡o♬*ﾟ・*:..｡o♬*ﾟ・*:..｡o♬*ﾟ

崇裕くんと出かけてから、一週間が経った。

あの日以来、しばらく軽音部には顔を出してへん。

知恵熱か、それとも夏風邪か。とにかく寝込んでしまった私は、家にこもるハメになってしもうた。

桐子先生にメールで事情を説明すると、すぐに崇裕くんからも連絡があった。

崇「こっちは大丈夫やから、気にせんでええよ！しっかり休んでな！あ、返信はいらんから。」

そんな崇裕くんの優しさに甘えて、全部棚上げにしたまま登校日を迎えてしまった。

『せめて、ペンダントのお礼はせえへんと。』

保冷バッグの中には、フロマージュを使ったケーキが入ってる。

前に食べたいって言ってたし、文化祭の練習にもなるし、丁度ええと思ったのや。

『調理室の冷蔵庫を借りて、直前に取り出そう。』

それと、もう1個。

ドキドキストラップが制服のポケットに入ってる。

もちろん、深い意味はない。

あんなに欲しがってたから、譲ってあげるだけや。

これでイーブン、対等になれるならええ。

？「あっ、如月A！」

校門を通り過ぎたとこで後ろから名前を呼ばれた。

振り返ってしまったけど、声の主を見てすぐに後悔する。

そこには安永さん達、崇裕くんの親衛隊の面々が集まっていた。