お酒の王子様〈日吉若〉 ページ13
土曜日。
珍しく身体を動かしたいと早起きをして、バドミントンをした。
中学生の頃にテニスはしていたけれど、今はあの時ほど動き回れないし、陽に焼けたくないという理由で友達を誘ってバドミントンを選んだ。
バドミントンをしながら、中学生の頃を思い出していた。
私の学校は特に男子テニス部が強くて、いつもコートの隅から輝かしい活躍を見ていた。
「さて、一杯飲んで帰るか。」
あの頃の私の唯一の自慢は、男子テニス部の1人と交流があったことだった。
大学で学部が離れてからは、あまり連絡は取らなくなってしまったけれど。
彼は元気だろうか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「こんばんは。」
最近見つけた穴場の小洒落たバー。
こんばんは、とバーテンダーに挨拶を返され、いつもの席に座った。
ふと横を見ると、遠い記憶の底にある彼の横顔に似た人がいた。
「…Aか？」
視線に気付いたのか、こちらを振り向くと私の名前を呼んだ。
変わらないあの声、あの顔で。
「わっ、あの若だ！懐かしい！」
「『あの』とは何だ。変わらず失礼な奴だな。」
「若も憎たらしい感じは隠しきれてないね。」
「黙れ。」
毒舌で憎たらしく、いつも人をいじめてくる。
だけど、若が優しくて思いやりがある人間であることも知っている。
嬉しい時に左の口角が上がる癖も健在だった。
「若は何してたの？まさか土曜出勤の帰り？」
「テニスだ。身体が鈍らないように定期的にやってるんだ。」
「え！私、テニスは諦めてバドミントンやってきた帰りだよ。」
「…テニスじゃないんだな。」
テニス部だった頃、悔しいことにも若の強さとかっこよさに憧れて沢山練習した。
「うん。何かもうテニスにキラキラしたものを感じなくて。」
「キラキラ？…なんだよ、そんなもの作ればいいだろ。求めるな。」
あ、若は若だと再確認した。
あの頃、きつい言葉だけど、何度も私を励ましてくれていた。
そういう所が好きだったのかもなあ。
「じゃあさ、若、暇な時とかでいいから一緒にテニスしよう！」
「…まあ、良いけど。」
「よし！ありがとう！私、またキラキラしたもの見つけたよ！」
「ふっ、まあ頑張れ。」
と、景気付けのように若が頼んだ2つの黄色のカクテルはテニスボールの色に似ていた。
これから、またキラキラした日々が私を待っている。
そんな気がして、幸あれと願いカクテルを飲んだ。
もう一度、恋をしよう。
(キラキラなお酒の王子様)
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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吹雪 - すみません、真田君の漢字違います。弦一郎です。 (2022年4月17日 13時) (
レス) @page27 id: ac8fe01e1f (このIDを非表示/違反報告)
星華 - もう本当に良かったです！本当にみんなカッコよくて素敵だと思いました！応援してます。 (2018年9月8日 22時) (レス) id: b55a00a283 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - サイコーでした！！どの話も内容が濃ゆくて良かったです(*^ ^*) (2015年7月24日 22時) (レス) id: 26a2606d52 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 真優さん» 不二で書いちゃった…笑 イメージが不二でしたの！ (2015年3月19日 13時) (レス) id: 3e05b36322 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぱるミンさん» 思い立ったらすぐ行動です笑 るみんちゃんも早速見てくれてありがとう(*´ω｀*) お別れって意外と深いものですね… (2015年3月19日 13時) (レス) id: 3e05b36322 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2015年3月19日 13時
