子連れのくくちへいすけくん。【忍たま】

子連れの、４１ ページ43

「ついに！できたよ！」

と勢いよく肩を掴んでにこにこしてるのは伊作先輩。

『ま、ま、まじっすか！？』


とうとう元に戻る薬ができたらしい。
これは興奮せずにはいられない。


“忍術学園からのお客さん”というのは伊作先輩だった。


「ふふん、これには自信があるよ。前の飲む用打撲薬を一から見直してみたんだ！それから」

と薬について熱心に語る伊作先輩。
……あ、隈がない。


ちゃんと寝ててくれたんだ良かった。
潮江もんじろーパイセン二世にならなくて良かった。


『……こうなったのはいさくせんぱいのせいですが、こうしてもとにもどるくすりをつくってくれたのもいさくせんぱい。ありがとうございます』
「うん、本当にごめんね」

『いいですよ。もうもどることができるんですから。……あの、それとへいす』



「えっ、もう戻っちゃうの？」
「ちょっと残念ですねー」
「小さいAも懐かしくて可愛かったんだけどなあ」
「ついでに静かで良かった」


上から網問君、重君、義丸さん、鬼蜘蛛丸さん。
戻れるんだから祝福しなさいよ。
今の私も元の私も静かで可愛いでしょーっが。


今絶賛水軍さん大集合なんですけど皆さんお仕事は……？


「じゃあ早速これ……ってうわぁ！？」
『え゛』


宙に舞った液体。


これは……？
もしかしなくても……？
再び伊作先輩の……？


不運？





そんなの、

『たまるかっっっ』


兵庫水軍での懐かしい生活も良かったけどどうせなら元の姿になってみんなの仕事を手伝いたかった。

そしてなんて言ったって私は早く忍術学園へ戻りたいんだ！




降ってくる液体を受け止めるべく口を開けて上を向く。

「Aっ！もう少し右だ！」


アドバイスありがとうございます舳丸さん！
おかげで、


ーごく。


数滴口に入りました。
ほぼ顔にかかったがな。


『……しゃっ』
「ごめんんんんんんまた僕の不運でえええ」

涙目の伊作先輩。

『いいんですよ。せんぱいのふうんはわたしがしゃんとうけとめー……？』


呂律が変わらない。
目線も皆よりずっとずっと低い。
もしかして元に戻ってない？


「飲んだのは数滴でしたからね……」
「液体がうっかりかかってしまった子蟹が立派な蟹に」



えっ。



ーーー
あと6話で終わる気がしない……これは……続編コースかな……。

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