52話 ページ2
あなたサイド
_________としみつ「好きなんだよ。ずっとずっと前から」
としみつの目から目が離せなくて、ただただ私は私の腰に回されたとしみつの手にドキドキして。
よく状況が掴めなくて、必死に頭をフル回転させるもやっぱり追いつかなかった。
でもとりあえず、気持ちに応えたいと慌てて口が走る。
「…好き」
としみつ「うん？」
「私も好き。としみつ」
私が言うと、は？ちょっと、とアタフタしだしたとしみつ。
としみつ「Aも好きなの？俺のこと」
「そうだって言ってんじゃん」
としみつ「まじ？」
「まじ」
としみつ「…嬉しい」
手の甲で口元を抑えてニヤけるとしみつがあからさまに嬉しそうで可愛い。
私ってなんて幸せなんだろう。夢みたいだ。夢でも幸せだ。
としみつと同じ気持ちだった。同じことを考えてた。それだけで胸が苦しくて、きゅんとして。
思わずふっと笑ったけど、りょうくんが頭をよぎってすぐに顔が曇った。
としみつ「嬉しくねーの、Aは」
そんな私の顔を見て言ったとしみつ。
「…めっちゃ嬉しい」
私が言うと、としみつは自信満々にニヤッと笑って「じゃねーと困るだろ」と言い、私の顎を少しだけ持ち上げて唇を重ねてきた。
たった今、私はとしみつに置き去りにされて、襲われかけた。
助けてくれたのはりょうくんだった。
私を幸せにしてくれるのはりょうくんかもしれない。
でも、私がずっと一緒にいたいのは紛れもなくとしみつただ一人で。
こっちに戻ってきてからと言うものも、私の毎日にとしみつがいることの幸せさと楽しさを再確認してしまった以上、この気持ちに嘘はつけない。
きっと、としみつだって私を幸せにしてくらると信じていたい。
優しいキスを終えて、色っぽくて仕方ないとしみつに見つめられて、とろけてしまいそうになる。
花火が終わったざわめきと火薬の匂いが私たちを包んだ。
としみつ「付き合って、A」
「仕方ないな」
としみつ「なんで上からなんだよ」
「仕方なくだから」
としみつ「俺のことが好きで好きで仕方ないって？」
「バッカじゃないの。としみつが私のことだーいすきでたまらないんじゃないの？」
としみつ「そうだよ、わりぃかよ」
「なっ」
思わぬ返事に私が詰まると、としみつはクスッと笑って私を強く抱きしめた。
このガタイの良い身体も、甘い匂いも、優しい声も、全部私のモノなんだと思ったら、本当に好きで好きでたまらないと感じた。
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さくら(プロフ) - 数年ぶりに占ツクで小説読もうとこちらの作品を見かけたので読ませていただきましたが、物語の展開が楽しくてお気に入りになりました。2年前で更新が停まってるみたいで、続きをまた見てみたいです。 (2020年8月29日 9時) (
レス) id: 773476652b (このIDを非表示/違反報告)
りちゃん(プロフ) - ポポロさんの書くとしみつめちゃくちゃ大好きです！！ (2018年9月15日 11時) (レス) id: d715cb7d67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロ | 作成日時：2018年8月22日 14時
