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面接からの帰り道
窮屈なリクルートスーツに履き慣れないパンプスに足が痛くて、空もどんより曇っているし最悪な気分だ。
“ここ最近、ずっとなにか考えてるでしょ”
この間のゆうこの言葉がずっと頭に残っていて
忘れようとしていた彼等の顔を思い浮かべては消してを繰り返していた。
今朝ネットニュースで見つけた《JO1 韓国から帰国》の記事。久しぶりに見るみんなは今まで見ていた彼等となんら変わりなくて…
カメラに向かって会釈したり控えめに手を振るみんなを見て、私だけがまだ夢の中に居るみたいな…そんな気分になってしまって。
元々そこに私はいなかったはずなのに…
なんで、こんなに心にぽっかり穴が空いたみたいなんだろう。
ピロリン、とスマホの通知が鳴って
確認するともう何通目か分からない企業からのお祈りメール。
はぁ、とため息を吐いて見上げた空はどんよりと暗い。
『…こんなくもり空じゃ、笑えないよ…』
溢れそうになる涙をぐっと堪えた。
行き交う人や車の音が消えて…
まるで世界に1人きりになったみたいに感じてしまって
堪えていた涙がぽろりと頬を伝った時
………ちゃん！！……A…ちゃーーん！！
なんだか懐かしくなってしまった声に、名前を呼ばれた気がした。
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作者名：ほこり | 作成日時：2024年3月23日 23時
