朝起きたらリーダーになっていました。2 (ページ21)

今日:24 hit、昨日:189 hit、合計:33,091 hit

49 ページ21

．

『みんな、おはよう！』

できる限り自然につくった笑顔でみんなに笑いかける。

祥生「なんで…いつ戻ったん？」

『昨日の夜中に…気付いたら戻ってたの。』

景瑚「まじか…なんか急すぎて…ちょっと頭追いつかん」

翔也「Aちゃん…！荷物は…？」

キャリーケースを持たない私を、心配そうな顔で見つめる木全さん。
彼はずっと一緒に韓国に行くのを楽しみにしてくれてて…胸がきゅっと痛む。

『ごめんなさい。…私は一緒に韓国へは行けないです。

行ってももうお役に立てないですし…
就活も途中でしたし、私は日本で頑張ります！』

そう言った私に、みんなは無言のままだった。

昨日入れ替わりが解けた時点で、すぐに社長さんやナオトさんには連絡した。
與那城さんとも相談して…やっぱり、私は日本に残ることにした。

瑠姫「A…ごめん。昨日、言いすぎて…」

『私のことを考えて言ってくれたんですよね？逆に嬉しかったくらいですよ！

…ありがとう、瑠姫くん。』

瑠姫「……っ、名前…」

驚いた様に目を見開いた彼はまたなんとも悲しそうな表情をした。

『…蓮くん、純喜くん…景瑚くん、拓実くん。
翔也くん、祥生くん…碧海くん、汐恩くん…豆ちゃん。

それに、奨くん』

みんなからいつも名前で呼んでほしいって言われてて

だけどなぜかそこまで踏み込むことが出来なかった。

これは私の自己満足だけど…
最後に、みんなの事をちゃんと名前で呼びたかった。

1人ずつ名前を呼びながら、みんなの顔を見てると
この１ヶ月の思い出が蘇ってくるみたいで…

思えばこの１ヶ月大変なことも辛いこともたくさんあった

だけど、記憶に残っているのはいつもみんなと笑い合った思い出ばかりだった。

『みんな、本当にありがとう！…いってらっしゃい』

最後は泣かずに、最高の笑顔でお別れしよう。

．