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．
…RUKI said
“私のことなんて後回しでいいんです”
そう言って、困ったように無理矢理笑う顔も
溢れ落ちる涙も、頭から離れなくて。
見た目は奨くんなのに＿…
どうしても、あいつの泣き顔を想像して苦しくなる。
眠れないまま夜が明けた。
．
集合場所のロビーに集まると皆浮かない表情をしていた。奨くんがAを追いかけていったあと、グループLINEで奨くんから《Aちゃんは大丈夫》と連絡がはいった。…でも、ザワザワとした違和感は消えてくれなかった。
翔也「Aちゃん…一緒に韓国行ってくれるのかなぁ」
そう呟いた翔也に、皆なにも言えなかった。
Aが自分の就活を優先させるっていうのは、そういうことだ。
一緒に韓国へだって行けないし、奨くんだって一緒に活動できなくなる。
俺達が今までどれだけAに助けられていたのか、分かっていたはずなのに…今更それを実感して、本当に自分が情けなく嫌になった。
エレベーターの到着する音が聞こえて、
そちらを向くと見慣れた姿が顔を表した。
景瑚「あ！Aちゃ、ん…」
景瑚の声が段々と小さくなる。
理屈じゃ説明できないけれど…皆一目見た瞬間気付いたと思う。そこに居たのは…“A”じゃなかった。
「奨くん…」
少し赤く腫れた奨くんの目がきっと泣いたんだろうってことを連想させた。
みんな何も言えなくて…久しぶりの奨くんの姿を見つめていた時、またエレベーターの音が聞こえる。
翔也「…っAちゃん…」
『みんな、おはよう！』
少し腫れた目で、にこりと笑ったA。
それは初めて見る笑顔で…
中身が変わるとこんなにも表情の作り方や仕草って変わるものなんだと、この時はじめて知った。
＿＿＿今日初めて、俺達は“本来のA”に会ったんだ
…
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作者名：ほこり | 作成日時：2024年3月23日 23時
