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…思わず練習室から出てきてしまった。
部屋には明日の渡韓のために與那城さんがはやめにパッキングしたキャリーケースが置かれていて
それを見つめていると皆の顔が思い浮かんだ。
泣いて、また心配させて…
本当になんでこんな風にしかできないんだろう。
また熱くなる目頭を押さえたとき、コンコン、と部屋の扉がノックされる音が聞こえた。
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奨「Aちゃん…大丈夫？」
扉を開けるとそこには少し不安そうな顔で微笑む私の姿があった。…見慣れたと思ったその姿が、今はなんだか違和感に感じる。
『大丈夫です。…さっきはごめんなさい』
奨「ううん…Aちゃんが謝ることなんてないよ。
ただ、蓮が言ってた様に…
俺達もAちゃんがすごく大切で、幸せになって欲しくて
自分のこと蔑ろにしてほしくないって…みんな思ってる。」
「それだけは分かって？」そう言って微笑む與那城さんに、私も笑顔を作って頷いた。
『…だめですね、みんな優しすぎて…
そんなに優しくされたら、甘えちゃいそうです』
奨「ははっ甘えてよ。…皆、もっと甘えてほしいって思ってるよ。まぁ、あんまり俺の姿でされるとなんか恥ずかしいけど」
『ふふ、與那城さんみたいにくっついたりしないから大丈夫です』
そう言った私に「おぉーい」とツッコむ與那城さん。
私達は2人で目を合わせて笑い合った。
明日の朝、みんなに改めて謝ろう。
それから…ありがとうって伝えたい。
目を瞑るとみんなの顔が思い浮かんで…なんだか無性にみんなに会いたくなった。
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作者名：ほこり | 作成日時：2024年3月23日 23時
