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…SHION said
Aが練習室から出て行った後、奨くんがその後を追いかけていった。
翔也「しおん、俺らも行こうっ…」
「…いや、今は行かんほうがいいんちゃう。」
祥生「うん…奨くんに任せよう、翔也」
碧海「あー、ほんっま…不甲斐ないなぁ」
今行っても俺らにできることは…きっとなんもない。
引き留めた俺らに翔也はこくりと頷いて、だけどずっと不安そうな顔でAが出て行った扉のほうを見ていた。
しーんと静まり返る練習室に瑠姫くんのため息が大きく響く
瑠姫「くそ、…言い過ぎた」
わしゃわしゃと頭を掻いて鏡にもたれ項垂れた瑠姫くん。
そんな風に余裕の無さそうな瑠姫くんをはじめて見たから…なんだか驚いた。
瑠姫「…あいつ、いつも俺らの事ばっか考えて自分のこと後回しにして…
自分だって不安で仕方ないくせに、全員でステージに立ってほしいからって夜中まで練習したりして
…ほんと、お人好しにも程があんだろ。」
たぶん、メンバー全員が知っていること。
これまでAがどれだけ頑張ってきたか
みんな、1人で必死に練習するあいつを何度も見かけてて
その度に、俺らも頑張ろうなんて話したりしてた。
景瑚「俺さぁ…なんか、変かもしんないけど
Aちゃんのこと思い出すとあったかい気持ちになるっていうか…すごい元気貰えるんだよね。」
蓮「うん…そうやね。みんな、同じやと思う」
蓮くんがにっこり笑うから、なんとなく少し空気が和らいだ気がした。
明日の渡韓のために今日は早めに上がろうって蓮くんが提案して、俺たちはみんな気まずい雰囲気のなか家に帰った。
ベッドにはいって目を瞑って…奨くんの顔で泣くAがどうしても頭から離れなくて
何度も頭の中で掻き消しているうちに、いつの間にか眠りに落ちていた。
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作者名：ほこり | 作成日時：2024年3月23日 23時
