朝起きたらリーダーになっていました。2 (ページ14)

今日:26 hit、昨日:189 hit、合計:33,093 hit

42 ページ14

．

みんなが泣きそうな顔でこちらを見るから…

どうしようもなく居た堪れなくなる

私は、間違ったことをしてたのかな。

純喜「A、なんでなん…？別に、奨くんやってAのフリできたやんか。言ってくれたら俺も…みんなも絶対協力すんのに」

そんな優しい言葉をかけてくれる河野さん。

分かってる、みんながそう言ってくれる人だって。
だからこそ…言えなかったんだよ。

『…私のことなんて後回しでいいんです！
だって、皆さんはアイドルなんですよ？
待ってくれてる人がたくさん居て…逆に、誰か1人でも欠けたら悲しむ人も大勢います。

遠慮してた訳でもなんでもない。ただ…私が皆さんに揃ってパフォーマンスしていて欲しかっただけなんです」

だから、そんな風に悲しそうな顔しないで…

ずっと無言だった川尻さんが私の目の前にきて、目が合う。しゃがんだ彼が私の手をぎゅっと握った。

蓮「…“私のことなんて”とか…言ってほしくない。

Aちゃんが俺らのことをすごく考えてくれたみたいに…俺らだって、Aちゃんのことが大事なんよ」

はっとして見上げた彼らの顔。

みんな本当に心配そうな表情でこちらを見ていて

そんな顔を眺めていたら、つうっと頬に涙が溢れ落ちたのが分かった。

…泣きたい訳じゃなかったのに。

『ごめんなさい…今日は、部屋に戻ります』

みんなになんて言ったらいいか分からなくて…
私は逃げる様に練習室を後にした。

…