89 ページ4
次の日も、その次の日も、Aは川崎たちと放課後出掛け、毎日化粧をして家にやってきた。
さすがにこう何日も続くと、なにをやってんだ?と気になる。
Aに聞いても、「買い物だよー」とか「カラオケいってた」とか、まぁ普通に高校生が放課後にするようなことを言うけど、多分うそ。
俺には分かる。
ついに我慢が出来なくなった俺は、川崎に聞いた。
「なぁ、川崎。最近お前たち何やってんの?放課後」
「気になるー?Aとられて寂しいんでしょ、明智〜」
俺を指さしてにやにや〜と笑う川崎。
「そんなんじゃないけど。隠すと気になんじゃん」
えーほんとかなぁ?とまだニヤニヤしてる川崎だったけど、周りにAがいないことを確認しているところをみると、どうやら話してくれるつもりらしい。
「あのね、衣装合わせの後、Aからお願いされたの」
「お願い?」
「うん、Aねメイク教えて欲しいんだって。何でだと思う?」
そこで一旦ためて、俺の顔を目を細めて覗き込む。
「『私が秀ちゃんにお化粧してあげたいから』だって。他の女子にメイクされてる明智見るの嫌らしいよ。可愛いよねぇ」
普段メイクをしてないAは、仕方がそもそも分からないらしくて、メイク人員から外された。
いや、細かく言うとあの日俺にやったんだけど、見事に失敗して、俺の目の周りはパンダのように真っ黒だった。
そんなことがあって、外されたのだ。
「愛されてるねぇ、明智」
そう話す川崎にお礼を言って、その場を離れた俺の口元はゆるゆるに緩んでいた。
264人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねいぼ(プロフ) - 名無し35453号さん» 名無し35453号様 続けてお読みいただいて、わざわざコメントもくださってありがとうございます。今更?感ありますけど、やっとくっつきました!更新がノロノロで申し訳ありませんが、続けて読んで頂ければ幸いです。 (2020年7月19日 21時) (レス) id: 8eed9a9e69 (このIDを非表示/違反報告)
名無し35453号(プロフ) - 明智くんと主人公ちゃんが付き合えて私も嬉しいです!更新これからも楽しみにしてますね! (2020年7月17日 16時) (レス) id: 7cae96bf4e (このIDを非表示/違反報告)
ねいぼ(プロフ) - 名無し35453号さん» 名無し35453号様 コメントありがとうございます!面白いなんて、身に余るお言葉です…!!ご期待に添えるように更新頑張りたいと思います。今後もよろしくお願いします! (2020年6月30日 22時) (レス) id: 8eed9a9e69 (このIDを非表示/違反報告)
名無し35453号(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしております。 (2020年6月30日 9時) (レス) id: 7cae96bf4e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ねいぼ | 作成日時:2020年6月25日 23時