吸血鬼から逃走せよ！【桃】 (ページ2)

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1.何故こうなった？ページ2

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……一体何なんだ、この状況は。

『……おい、小瀧よ。これは一体何の真似だ？』

自分より20cmは背が高いであろう彼を睨み付けて言った。

その彼……隣のクラスの小瀧望は私の背後にある壁に手を突き、私を見下ろしていた。

所謂、壁ドンの状態である。

至って普通の女子ならば、このシチュエーションに恋を予感したり、胸を高鳴らせてキャーキャー騒ぐものなのだろうが、生憎私は自他共に認める変わり者なのだ。

壁ドン。微塵もキュンキュンしねぇ。むしろ戸惑いしか生まれねぇ。(私の極端な意見である。)

昔から友達に『鈴音と恋バナをするのは不可能だ』と、文句を言われた経験は数知れず。

なんと失礼な。私にだって恋バナの一つや二つぐらい出来るし！周りと話が合わないだけだし！

………おっと、少し脱線してしまった。話を戻そう。

実は、私と小瀧は今、この瞬間まで一切関わったことが無かった。

それが何故こうなったのか。

事の発端は数分前に遡る。