【田中樹サイド２】 ページ50
《なんか呼ばれてる気がして》
樹【あはっ。何それ、なんか怖っ】
《じゃ…樹の事いつも覗いてるから》
【ストーカーか】
《私…樹の事ならなんでも分かるから》
樹【それもこえーよ。あ、でもちょっと嬉しいかも】
《…》
樹【A？】
《ごめんなさい。本当はね…私は樹の事なんも分かってあげられてない。樹が元気ないってみんなが…》
メンバーが？
《みんなが教えてくれたから会いに来れたの》
メンバー気づいてたのか…
《だからね、みんなはやっぱり凄いよ。樹の変化にすぐ気づいて。それにみんなから樹への伝言で…》
伝言？
《弱音吐きたくなきゃそれでも良いけどAの飯食ってちゃんと睡眠とれってさ》
樹【ごめん、俺みんなに気を遣わせた。それとAもこんなふうに付き合わせてわりぃ】
《ううん。本当は私も気づかなきゃいけなかった。いつも樹は私の事なんでも気づいてくれるのに。ほんと私はダメだ》
樹【何言ってんだよ、最近会えてなかったしAが謝る事なんて何もないし】
《会えてなくても気付きたかった。樹の事ならなんでも分かりたかった》
樹【はぁ…。なんであなたはそんな可愛い事言うかな？】
《え？》
樹【Aは全然ダメじゃない。メンバーに言われたとしても今日来てくれて飯も本当に作ってきてくれて俺の事心配してくれて俺に笑顔くれてAが来てくれたから俺今、心の中めっちゃ暖かい。実は言うと最近家に帰ってくるとモヤモヤしてて気持ち悪かった。この場所さえ嫌になりかけてた。でもAが空気変えてくれた。だからAは俺にとってまじで最高にすごい女】
《なにそれ、樹のくせに嬉しい事言ってくれる》
樹【くせにってなんだよ】
《嘘嘘。照れ隠しです。なんか私が元気もらっちゃったな》
樹【俺も十分もらったって】
《こんな私でもお役に立てるならいつでも呼んでよ。
ご飯だって全然作るしなんなら眠れるまで側にいるよ？》
樹【…】
《あ！また怖がったでしょ？ストーカーじゃないですからね？》
そんなんじゃねー。
ただ、だったら毎日俺のそばにいて欲しい。
そう言いたいのを我慢しただけなんだ。
樹【じゃ…とりあえず今日…俺が寝れるまでそばにいてくれる？】
《もちろん。ほらっ、お泊まりセットも持ってきてるから》
樹【準備してたのかい】
そう２人で笑いあって俺はどれくらいぶりだろう…
明日が早く来ない事を願った…。
樹【A…早くこっちこいよ】
end
続く
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作者名：ぽぽちゃん６ | 作成日時：2020年10月17日 12時
