公園２【私サイド】北斗編 ページ35
今日は日々の忙しさを忘れたくて…
『※』
しばらくして誰かの足音が近づいて来た。
念の為深く帽子を被り直すと
【お隣いいですか？】
その声は帽子を取らなくても分かる、私の好きな声。
《北斗‼︎》
北斗【いいとこだね、ここ】
《北斗は絶対忙しいと思ってたのに‼︎》
北斗【俺じゃ嫌だった？たまたまマジで今日休みなの俺だけだから】
《来てくれて嬉しい、せっかくの休みにごめん》
北斗【全然、俺が来たかっただけだから】
言葉を選びながら話してくれるとこ
この優しいトーン…北斗の声質…ほんと心地良い。
北斗【俺がいるから安心してゆっくり過ごして】
そういうと北斗は鞄から台本を取り出し目を落とす。
ただ読んでいるだけなの美しい。私なんかじゃ手が届かないところに行ってしまうんじゃないかと不安になるほどのオーラ…
そう思ってしまう自分が怖くて目をつぶる。
そして気がついた時は…
《ごめん‼︎私今寝てた‼︎》
北斗【うん】
《寝るつもりなんてなかったのに〜》
北斗【俺も寝てたし大丈夫】
《で…私はなんで北斗に腕枕してもらってるんだろ？ごめん‼︎》
北斗【ははっ。ほんと寝ぼけてたんだな】
《え？》
北斗【寝たと思ったらいきなり俺の台本取り上げて俺に枕になれって言ってきた】
《うそだ〜？ほんと？記憶ない‼︎ごめーん》
北斗【まぁ…嘘嘘。俺が勝手にしただけ】
北斗の本当か嘘かは私には見破れない。
昔からこうゆうところは敵わない。
近くにいるだけじゃ感じられないけど
触れられてやっと感じる事ができるこの安心感…。
《もう少しこのままでもいい？》
北斗【もちろん】
《ほっくんあったかい…》
そう言うと突然耳が真っ赤になっていく北斗…
《なんで照れるのよ》
北斗【別に】
《こーゆうの慣れてるくせに？》
北斗【慣れてないわっ…こんな事A以外にはしない】
北斗の本心は分からない。
でもそう言ってくれるだけでいいんだ。
私を安心させる方法は全て知ってるみたいね
《ありがと…》
そう言葉にすると目が合ったがすぐに目を逸らす北斗。
北斗【近くて恥ず】
《ははっ、確かに…》
私は北斗から離れて
《腕枕ありがと。北斗の腕の中本当に安心した…》
そう伝えると
【俺だけにしろよ】
《え？…》
少し沈黙が流れて
【…腕枕してもらうの俺だけにしろよ】
また耳まで真っ赤にしている北斗に
《はい》
そう思わず約束して又北斗の腕の中に溺れてしまった。
end
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作者名：ぽぽちゃん６ | 作成日時：2020年10月17日 12時
