【松村北斗サイド1】 ページ29
今日は夢にまで見たAとの仕事。
雑誌の表紙を一緒に飾れる事になった。
この話を聞いた時から毎日にウキウキしてる。
でも一つだけ気掛かりなことがあって
他のメンバーにこの仕事の事を伝えられずにいた。
言ったらみんな嫌な気分になるかもしれない。
みんなもAとの共演を楽しみにしてるし
俺だけ抜け駆けみたいでなんか嫌なんだよな。
なんて考えて当日を迎えてしまった。
メイク室に居ると準備が終わったAが来てくれた。
《おはよ、北斗》
北斗【はよ〜】
《なんか北斗緊張してる？》
北斗【Aこそ】
そう言い見つめ合い笑い合ってしまう。
《ねーなんか緊張するよね？》
北斗【するな〜】
《この話決まってから本当は私のこの嬉しい気持ち北斗に伝えたかったんだけど考えると緊張しすぎて逆に考えないようにしちゃった！》
北斗【どうりで連絡がない訳だ】
《今日は最強な私達撮って貰おうね》
あぁ。最強のAに恥じない俺でいたい。
その後は撮影までたわいもない話をして少し緊張もほぐれていざ撮影。
現場に入って打ち合わせをしながら撮影開始。
自然体でお願いしますと言われそこにはソファーが置いてあるだけ。
とりあえず2人で座ってみるけどなんか色んな意味で緊張が戻ってきてしまった。
カメラマンの指示通りAの肩に手を回したり顔を近づけてみたりかっこよくcoolに表情を決めて頑張って乗り切っているものの…
スタッフ(少し休憩いれまーす)
北斗【ダメだ、緊張して顔強張ってる】
スタッフやカメラマンが求めている事ができていない気がする。Aの足は引っ張りたくないのに…。
《大丈夫だよ、どのカットも国宝級イケメンだよ？》
北斗【いじるんじゃないよ。それを言うなら女性がなりたい顔TOP 10に長年君臨するあなたには敵わないからね】
《私はメイクさんのおかげだから》
北斗【またまた】
スタッフ(すみません、この後の撮影ちょっとコンセプト変えたいので打ち合わせ入れさせてもらいます。このまま少しお待ち下さい)
《はーい》
北斗【ねぇA、ずっと仕事忙しそうだけどあんま頑張りすぎんなよ】
《頑張ってるからこうして北斗と仕事できるんだもん、こんなご褒美があったらまた頑張れちゃうよ》
可愛いかよ。ついついAを見つめる表情が柔らかくなってしまう。
《まだ時間かかりそうだよね？》
北斗【そうかもな〜】
《じゃぁさ…こっち》
そう手招きしてさっきいたソファーへ俺を誘う。
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作者名：ぽぽちゃん６ | 作成日時：2020年10月17日 12時
