【森本慎太郎サイド2】 ページ26
慎太郎【Aは…すげぇ頑張ってるよ、頑張ってる人の失敗をまわりも迷惑なんて思わない。だから大丈夫。大丈夫だよ！】
こんな事しか言えないけどAには笑っていて欲しいんだ。
《しんちゃん…》
慎太郎【だからA…泣かないで？】
抱き寄せていたAの顔を覗くと
慎太郎【笑ってるんかーーーい】
何故か笑顔になっていて
《だって嬉しくて。しんちゃんがこんな真剣に答えてくれて抱き寄せてくれてるなんて…》
そんな事言われると急に照れくさくて急いで離れた。
慎太郎【なっ…泣いてると思ってびびったんだからね！】
《ありがとっ。でもしんちゃんに聞いてもらって
スッキリしたし勇気でた！》
慎太郎【それなら良かったけど…】
《急にごめんね？もう大丈夫だから》
慎太郎【俺は平気！てかAは昔から喜怒哀楽が激しい子だったって事思いだしたわ】
《昔から成長してないって事！？でも、じゃ…私の喜怒哀楽が激しいのはしんしちゃんのせいじゃない？》
俺なんかに振り回されるAじゃない事は分かってるけどこんな嘘でも胸がドキドキする俺も昔から成長できてないな。
昔話が始まれば時間はいつもよりあっという間でそろそろ現場入りの時間だ。
《今日は会えて本当に良かった、また仕事頑張ります！》
【いえいえ、またなんかあったらいつでも言ってよ】
去っていくAの姿はやっぱり綺麗で…
見惚れてしまう程綺麗で…
偽りのないAの笑顔は眩しくて
いつまでたってもAの輝きに追いつけない気がした。
眩しいな…
今日たまたま会ったのが俺だっただけ。
他のメンバーが会っていれば他の奴がAを抱きしめていたのかと思うと心が痛い。
遠いよ。やっぱ俺には眩しすぎるんだよ…。
共演者(あれ、なんか元気なくなってる？)
慎太郎【そんな事ないっすよ】
俺の喜怒哀楽は本当にA次第なのに…。
撮影が終わって帰りの車の中でちょうどAのラジオが始まった。
聞こえてくる声はやっぱりキラキラしていて昼間の出来事は嘘みたい。
《さぁ今日のテーマは大切な人に贈りたい一曲。リクエストお待ちしてます！さっそくですが待っている間に私の大切に人に送りたい一曲お聴きください。どうぞ！》
そこで流れてきたのは俺が昔から好きな曲。
たまたまかもしれない。自惚れだよな。
でもAが俺のため贈ってくれてるような気がして心が暖かくなったんだ。
そう思う俺はいつの間にかまた笑顔になっていた。
end
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作者名：ぽぽちゃん６ | 作成日時：2020年10月17日 12時
