イヤーカフ２ (ページ37)

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海人「俺が最初に告白した日の事、覚えてる？」

そう言って話し始めた海人の表情は
いつになく、少し、寂しそうに見えた

『覚えてるよ』

海人「あの日さ、振られるの覚悟してちゃんと告ろうって
　思ってたんだよね笑。Aが俺の事"友達"としてしか
　見てないことも分かってたし」

『…ごめん』

海人「Aはなんも悪くないよ。でもその日さA、
　海斗に貰ったピアス、付けてたじゃん？」

『…うん』

海人「前も話したと思うけどあの頃はきっと無自覚で、
　海斗の事強く想った時つけてきてたんだよね、
　あのピアス。」

『…』

海人「正直ムカついて、
　もう1年も経つのにまだ健気に想ってるのとか
　俺は眼中にすら入れてないのに、とか」

泣きそう、とはまた違うけど
所々言葉に詰まる海人の声を聞き逃さないように

私は静かに息を呑んだ

海人「でも惚れたもん負けとか、そんな感じでさ、
　そういうところも含めて好きなんだよね」

海人は笑顔で話してくれているけど
私には、そうは見えなかった

海人「あん時告るのやめようって思ったけど、
　 Aが辛そうなのをただ見てるだけっていうのに
　耐えられなくなってさ」

『…』

海人「そのくせ振られるのが怖くて、
　 "利用して"なんて卑怯な手使って繋ぎ止めようとした。
　 …ごめん」

『…私こそごめん』

海人「俺は、……あの頃からずっと、気持ち変わってないよ
　ずっとずっと、Aだけが好き」

海人「色々順番間違えてるし、
　今更って思うかもしれないけど
　 …これで最後にするつもりだから」

海人「…俺と付き合ってください」

そう言った海人の目は真っ直ぐに私を捕らえていた

不器用なりに、きちんと自分の言葉で
丁寧に紡いで私に伝えてくれた

いつになく真剣な表情にもまた
少し心が揺らいだ