イヤーカフ２ (ページ27)

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「…で、なんかあったんでしょ？」

隣から聞こえたその声に目を向ければ
私の方を見ずに前を向いて

「話したくなかったらいーよ、無理に聞かないし」

って足で砂を弄りながら言った

『なんでここに連れてきたの？』

「いや、公園に深い理由はないけど、家じゃない方がいい気がしたから」

『…なんで？』

「え、なんで？！…そんないちいち理由とかねぇよ〜笑、なんとなく！なんとなくそう思っただけ！」

『あ、ごめん…』

「…A、今日なんか知りたがり？笑」

いつもみたいに私をからかって笑ってる顔
出会った頃からずっと変わらない

なんでもお見通しなところもひたすら優しいところも

「無理して笑わなくていーよ、」

『…え？』

「辛い時は頼って欲しいってのが本音だし、俺なんかに気遣わないでよ」

そう言って立ち上がって私の目の前に立って
ブランコの鎖を両手で掴んでぐっと縮めた顔の距離

今にも触れそうな距離に
ぎゅっと目を閉じれば額に激痛が走った

『いっっっ、た！』

目を開ければ大きな口を開けて海人が笑ってて

「ちゅーされると思った？笑」

『…むかつく』

「しようか？今、笑」

『…やだ』

「はは笑、まぁ冗談は置いといてさ。難しく考えすぎんなよ」

そう言って私の乱れた前髪を少し整えて

「落ち着いた？」

『…ありがとう』

「A、そろそろ帰ろっか」

『うん』

差し出された海人の冷たい手を
素直にとって2人で歩く

「あ、コンビニ行こーよ！アイス食いたい」

『今から？ってか今日どうすんの？』

「さすがに帰るわ、やりたいだけの男って思われたくないし」

『すでに若干思ってるけど…』

「は？…昨日のは不可抗力！…ってかおでこ結構赤いじゃん、力強すぎた？」

街灯に照らされた時
私のおでこが思った以上に赤くなってる事に気づいたらしく
少し焦りながら私に聞いた

『、痛いからアイス奢って』

「えー、なにがいい？」

『ハーゲンダッツ』

「え、歩きながらカップの食うの？」

『…のビスケット』

「じゃあはんぶんこしよ」

『うそ、安いのでいいよ』

「だめ、俺が食いたいから、もうそれで決まり」

そして2人でコンビニに寄って
アイスの棚にある2種類の味で討論した

結局私が食べたい味を手に取って
レジに向かった

「…あと172番お願いします」