イヤーカフ２ (ページ23)

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「じゃあ反対ね」

そう言って私にもう一度顔を近づけ
位置を確認する

『…海斗は、やっぱり開けないの？』

「ん？俺？…開けないかな～」

『そっか』

「でもお揃いのピアスとか憧れるよな～笑」

どんな顔してそれを言ったのか
私には確認することができなかったけど

嬉しそうな声で話していたことはわかった

「じゃあもっかい、いくよ？」

響いた音はさっきよりも小さく感じて

鏡を見れば
私の耳を飾る銀色のパール

「やっぱ似合うね！可愛い！」

鏡越しに私を見てにこにこ笑う海斗

「…で、これさ、渡そうと思って」

そう言って後ろから私に小さい箱を手渡した

『…え？なにこれ、なんで？』

「卒業祝い？合格祝い？…引越し祝い？」

『なにそれ笑』

「いや、特に理由とかなくてさ、見つけた時似合うだろうなって思って…」

って途中で照れて私の首筋に顔を埋めた

『…開けていい？』

鏡越しに海斗に確認すれば
頷くように動く頭

『…可愛い』

箱を開ければ可愛い花のピアスが入っていて

『…ありがとう、ずっと大切にするね』

そう言えばまたコクリと頷く頭

「まっっじで緊張した、アクセサリー渡すのとか初めてだし…」

俯いてた海斗が顔を上げるのを見計らって
私も小さい箱を海斗の目の前に置いた

「…え？なに、これ」

『私も、渡したいものあって』

後ろから控えめに伸びた手がその箱を掴んで

「開けていい？」

その声に静かに頷く

「…イヤーカフ？」

海斗がピアスを開ける気がない事も
お揃いのピアスいいよねって言った事も
ずっと覚えてて

『イヤリングでも良かったと思うけど、こっちの方が海斗に似合うと思って…』

「…つけていい？」

そう言って左耳につけたイヤーカフ

「…嬉しい、まじで嬉しい」

『まさかタイミング被ると思わなかった笑』

「たしかに笑」

振り返ってイヤーカフをつけた海斗を改めて見て

『うん！やっぱ似合う！かっこいいね！』

「…かわいー顔してそんな事言わないで笑」

照れたように笑った海斗は
私の前髪を片手でどかしておでこに唇を落として

「ありがとう、一生大切にする」

私を力強く抱きしめてベッドに沈んだ