イヤーカフ２ (ページ2)

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カートを押しながら2人で食材を見て

「ねぇこれ！美味しそう！」

『今日は餃子だからだめ！』

「ねぇ！これは？！映画見ながら食べよ！」

『いいね！美味しそう！』

周りにいる主婦もおじいさん夫婦も
走り回ってた子どもたちも

私達とすれ違って振り向く

多分スーパーにいる誰よりも
私達が1番騒がしくて1番楽しんでる

こんな些細な事が1番楽しくて幸せで
そんな思いに少し浸る

海斗くんと一緒ならなんでも楽しくて

日常の全てが思い出で

愛おしくなった

帰り道は

「荷物持つよ」

そう言って重い荷物を持って

「ん、手、貸して？」

って私の前に手を差し出す

絡めてギュッと握れば
嬉しそうに笑って話しながら帰る

そういうちょっとした優しさも

ドキドキも全部余さず私にくれる

…私は海斗に何かあげられてるのかな？

『「ただいま～！！」』

こうやって2人で一緒に帰ってくるアパートには
だんだんと私の私物も増えて

まるで同棲してるみたいな気分になる

「じゃあ餃子作ろっか！」

お互いに律儀にエプロンなんかして
キッチンに食材を並べて

準備万端な海斗くんの隣に立って
2人で騒ぎながら作った餃子は
不恰好で焦げちゃったけど

今まで食べてきたどんな餃子よりも美味しかった