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ふと目が覚めると
背中に感じる規則正しい鼓動
ふわふわな髪の毛が首にあたって
なんだかむず痒くて身を捩る
「ん、起きたの?」
寝起きの少し掠れた声が耳元に響いて
「んっ、耳元で喋らないでよ」
「ふっ、かわい」
私の腰に回してた腕にグッと力がこもる
今何時だろ
そう思って携帯を見れば
5:12の表記
まだ外は薄暗い
「ねぇ、もうちょい寝よ」
そう言って私を引き寄せてもう一度眠りにつこうとする海人
「…ねぇ、」
「生理現象」
朝からやんねぇよって少し笑ってる声が後ろから聞こえる
がっちりホールドされた腕に
逃げるのを諦めて私も寝ようと目を閉じる
「…今日も見た?海斗の夢」
びっくりして振り向こうとするけど
身体が固定されてて海人の顔を見ることができない
「…見た」
嘘つく必要もないし、と本当のことを伝える
「だよなぁ」
「なんでそう思ったの?」
「寝てる時、なんとも言えない顔してた」
「…不細工ってこと?」
「ちげーよ笑」
一瞬だけ笑って、また続ける
「悲しいけど、愛おしいみたいな顔…んー、なんて言ったらいいんだろ…言葉にするの難しいけどほんと、そんな感じの顔して寝てた」
悔しいけど俺にはそんな顔にさせることすらできないから
そう言った瞬間抱きしめる腕に少し力が入った
「…海人」
「ごめん、この話終わり」
俺6時半には帰るからそれまで一緒に寝かせて
そう言って足を絡める
「…わかった」
今の私にはこの一言が限界だった
後ろに聞こえる寝息
少し早くなった心臓の音に耳を澄ませて
強引に目を閉じた
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作者名:ぽぽちゃ | 作成日時:2021年8月31日 17時