イヤーカフ (ページ6)

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「最初見た時は吹っ切れたのかなって思って
でも聞いたらそんな事なくて

"海斗の夢見ちゃって"

って悲しそうな顔で俺に言ったの覚えてる？」

そうやって言う海人の顔も少し悲しそうで。

「…覚えてる」

なんだかうまく顔を見れずに俯く

静かな住宅街の一角、街灯が照らす道路の少し隣で
立ち尽くす私たち

「海斗と付き合う前から相談に乗って、付き合って幸せそうなA見たら、俺の気持ちなんて伝えるべきじゃないと思ったし伝えなくてもいいって思ってた」

「…え、どういう…」

海人の言葉の意味が一瞬で理解できなくて
思わず顔をあげる

「別れてから吹っ切れたフリして俺たちの前で笑って、でも無意識に海斗に貰ったピアスなんてつけてきて…」

夜時々泣いてるのだって知ってるよ

そう言う海人の目は少し揺らいでいて

「…なんで、」

「元太も気付いてる

腫れた目を化粧で隠してたってすぐわかるよ」

海人の悲しそうで、でも熱を帯びたその表情に
なんだか目が離せなくて

じっと見つめると、距離を詰められて

「俺ずっと好きだよ、Aの事」

そう言って優しくキスを落とした