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「なんで泣いたの?」


その疑問に答えるってことは


多分好きって伝えることとほぼ一緒で


緊張で言葉に詰まる


そんな私を見かねて



「最後の曲の前の話、聞いてくれた?」



って少し笑って私に聞く



「…聞いた」



「…あれ聞いてどう思った?」



「どうって…」



なんだか緊張しすぎて苦しくて


もうどうにでもなれって思って正直に伝えた



「私に、向かって言ってるのかと思った」



そう言えば



「よかった〜伝わってた」



って安心したように深呼吸した


想定してなかった展開に驚いて固まっていると


「あの日Aちゃんの話聞いて、Aちゃんが怖がらずに済む方法とか、苦しまなくていい方法とか俺なりに考えたんだけどいいのが浮かばなくて」


あの時みたいに一つ一つ丁寧に言葉を紡いで


「その時思ったのが、俺も一緒に背負って俺が自分自身で証明しようって。俺がAちゃんを笑わせたいし、幸せにしたいなって思って」


私に一生懸命伝えてくれる


途中で溢れてくる涙を拭いながら


海斗くんが伝えてくれる気持ちを真剣に聞いた


「改めてちゃんと言わせて





 好きです、付き合ってください」



海斗くんの目は真剣で揺らがず私を捉えていた



その言葉を聞いた瞬間に涙が視界を覆って



海斗くんの顔が上手く見えなくて



必死に目を擦ったら



「赤くなるよ」



って笑いながら私の手を掴んで



自分の首に下げてたタオルで私の涙を拭いた



「返事はいつでもいいからね」



優しく私にそう言うと



「もう文化祭終わっちゃうね〜」



って外を見ながら悲しそうに言った



その横顔を見て決心して



「海斗くん」



そう呼べばこっちを向いて



「どうしたの?」



って優しく笑う



私は海斗くんの優しく笑う顔も


ひたむきに頑張る姿も


心配そうに触れる手も


私の名前を呼ぶその声も


きっと全部、好きなんだ




「好きです、付き合ってください」




震える声に力を込めて伝えれば



海斗くんは泣きそうな声で



「お互いにお願いしてるね」



って言って少し笑った



「なんか変だね」



って言った私の手をギュッと握って



「でも俺ららしいかもね」



目尻に沢山の皺を寄せて笑って言った



教室に差し込む夕日



それに目も暮れず



私達はどちらからともなく



唇を重ねた

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設定タグ:TravisJapan , 中村海人 , 松倉海斗   
作品ジャンル:タレント
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作者名:ぽぽちゃ | 作成日時:2021年8月31日 17時

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