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海斗「なんかこうやって帰るの久々だね」
「そうだね」
久々のこの感じにお互い沈黙が多くなる
最近文化祭の準備が忙しくて
話せるほど小説も読めてない
それは海斗くんの方も同じみたいで
しばらく沈黙のまま歩く
「ねぇ、あのさ」
先に沈黙を破ったのは私
「ちょっと聞いてほしい話があるんだ」
そう言うと
「どうしたの?」
って少し心配そうに私を見る
覚悟を決めたはいいものの
やっぱりまだ少し怖くて
なにも言えずに立ち尽くす
その様子を見兼ねた海斗くんが
「…座って話そうか」
そう言って海斗くんは私の腕を優しく引いて
近くの公園に足を入れる
二人でベンチに座って
海斗くんは私が話し始めるのを静かに待つ
「自分のタイミングでいいよ」
そう言って優しく笑って
隣でずっと待っててくれてる
「…あのね」
私が喋り始めれば
私の方を向いて真剣に聞いてくれた
中学での出来事
人と深く関わるのが怖い事
日常が壊れるのが怖い事
自分以外の人を信じきれない事
これを海斗くんに伝えて何になるのか
わからなかったけど
好きだからこそ、知ってほしくて
そんな自分勝手で伝えた
なのに海斗くんは途中で優しい相槌を挟みながら
最後までずっと静かに聞いてくれた
「こんな話してごめんね」
全て話し終えてそう伝えれば
「思い出すだけでも辛いと思うのに、話してくれてありがとう」
私を見て優しく笑って
「次は俺の話聞いてくれる?」
って少し頭を傾げた
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作者名:ぽぽちゃ | 作成日時:2021年8月31日 17時