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「あそこでこう言う場面がさ!」
「そうそう!そこ良かったよね!」
最初は躊躇ってた一緒に帰る行為も
話していくうちに慣れて
2人で小説の話をしながら帰る
なんとなく一緒に帰ってるけど
「松倉海斗くん、あの…」
本当に同じ道?
そう聞く前に遮られる
「ねぇいつまでフルネームなの?笑」
逆に恥ずいって少し照れて笑ってて
「あ、ごめん」
「海斗でいいよ、Aちゃん」
「…え?」
「え?やだった?」
いきなり名前で呼ばれて固まる
私の反応に焦って悩んでる彼に
「嫌じゃないよ、びっくりしただけ」
そう言えば、安心した顔をして笑った
「名前知っててくれたんだ」
小さくつぶやいたその声は聞こえてたみたいで
「知ってるよ、自己紹介の時から可愛い名前だなって思ってたし」
さらっとそんなことを言う
いきなりの爆弾投下に赤くなる顔に
気づいた彼が
「そんな赤くすんなよ、伝染る」
そう言ってほんのり頬を赤くした
なんだか妙に甘酸っぱい空気が流れる空間に
耐えきれなくなって私から切り出す
「海斗…くん、ここでいいよ」
「え?でもここ…」
「だってここから戻るでしょ?」
そう言うと
「あ、もしかしてバレてた?」
俺嘘苦手なんだよねって頭を掻く
「うん、ごめんね、気づいてたのにこんな所まで。
わざわざありがとう」
そう言って帰ろうとした時
「ちょっと待って」
呼び止められて振り向けば
「連絡先、交換しない?」
少し俯いた海斗くんがそう言った
私が小さく頷けば
「…まじ?!やった!」
って目尻に皺を寄せて笑った
「ありがとう」
「こちらこそ、ありがとう」
「じゃあ気をつけて帰ってね!」
そう言って来た道を戻ってく海斗くんを見送って
私も歩き始める
携帯を見れば新しい友達の欄に
Kaitoの文字
その日の帰り道はいつもより短い気がした
家に着いてしばらくしたら
携帯に表示される新着メッセージ
Kaitoちゃんと帰れた?
A帰れたよ、ありがとう!
Kaitoよかった!
Kaitoこちらこそありがとね!
会話を終えて閉じた携帯がまたすぐに震えて
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海斗くんがくれた話題に返すために
本棚を漁る
「あ、これ」
手に取った一冊の本の題名を
携帯に打って送信ボタンを押した
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作者名:ぽぽちゃ | 作成日時:2021年8月31日 17時