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「もうこんな曖昧な関係やめよう」
私のその言葉に対して歩くのをやめて
「それは良い方?」
そう言って真剣な顔で私を見た
「…違う」
「ならやめない」
「だめだって…」
「なんで?」
「海斗の事もちゃんとできてないのに、
寂しさを別の人で埋めようなんてそんなの…」
「俺の事、1ミリも興味ない?男として見れない?」
私の目を見てギュッと手を握る
「そういうわけじゃなくて…」
恥ずかしくなって目を逸らせば
「今はそれで満足」
そう言ってぱっと手を離す
「…どういう事?」
「手握ったら顔赤くして逸らすぐらいには
俺のこと意識してくれてるなら今はそれでいい」
そう言われて頬を触ればほんの少し熱くて
「俺はずっと待つよ、振り向いてくれるまで
だから言葉通り"俺を利用して"。」
そうしてまだ続くことになった曖昧な関係
元太「A?ちゃんと聞いてる?」
「え?あ、ごめん、聞いてなかった」
元太「しっかりしてよ〜!明日買い物行こうと思うんだけどどう?」
私が考え事してる間に話が進んでたらしく
元太は隣町のショッピングモールで買いたいものがあると
海人と私に話す
「…あ、私も買いたいのある!」
海人「…え?まじで?」
元太「ほんと?!え!じゃあ行こうよ!」
明らかに嫌そうな顔をした海人とは真逆の顔で喜ぶ元太
海人「じゃあそこにしよう」
元太「やった!じゃあ明日ね!」
渋々承諾した海人に
細かいことはまた連絡するからって
元太は駆け足でバイトへ向かった
「元太はいつも賑やかで楽しいね」
「そんなことないけど」
なんて口では言っても笑ってる海人
「じゃあ私もバイトあるから行くね」
「おー、また明日」
「うん、また明日ね」
久々のちょっとした遠出に楽しくなって
初デートみたいに
夜に何時間もかけて明日の服装を決めて
目覚ましをかけて布団に潜った
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作者名:ぽぽちゃ | 作成日時:2021年8月31日 17時