阿部のため息 ページ8
ラウール、康二、目黒が3人で楽屋を出ていくのを見送ると小さなため息が漏れる。
今日は、SixTONESのAちゃんとの定期的に開かれるご飯会の日らしい。
渡辺｢なんだよ。阿部も行けばいいじゃ｣
｢俺が行ったらおかしいだろ｣
佐久間｢いつも羨ましそうにしてるのに｣
｢うるせぇ｣
定期的にメンバーにいじられる。
別に直接言った訳では無いのに、気がついたらこの5人に俺が、Aちゃんを好きなことが広まっていた。
俺以外、Aちゃんとなんだかんだと関わりがあるのに俺だけ全くではないけれどあまり話したこともないし、話す機会が少ない。
それでも、Aちゃんの事を見守れてるだけいいやなんて自分で言い聞かせていた。
それに、Aちゃんの迷惑にだけはなりたくないから。
深澤｢そういえば、A今度ドラマか映画なんかやるって言ってたな…恋愛ものだから悩んでたけど｣
渡辺｢はぁ？！なんだよそれ！てか、なんでふっか知ってんだよ｣
深澤｢SixTONESに言えない相談よく聞くから。SixTONESが知ったら全力で止めそうだし｣
宮舘｢確かにね。なんだかんだでみんながAに過保護だからね｣
岩本｢過保護すぎるのやめろって言ってんのにな｣
みんな笑ってるけど、俺には今そんな余裕なんてなく、Aちゃんが恋愛ものをやることに気が気じゃない。
佐久間｢阿部ちゃん大丈夫かー？｣
｢あ、うん。大丈夫｣
渡辺｢え？で、Aはやるの？｣
深澤｢もう少し考えるって。俺は、正直やっていいんじゃないかってアドバイスはしたよ。Aに来た仕事なんだから。A自身は周りの目を気にしてるみたいだからなんともだけど｣
Aちゃんはきっと周りが思っている以上に、周りの目を気にしてるんだと思う。
正直、この事務所に女の子が1人いるなんてよく思わない人だって沢山いる。
周りから聞く話、以前は気にしてなかったけどSixTONESに加入してからすごく気にしてるとか。
SixTONESに迷惑がかかるから。
なんでも、1人で抱え込むAちゃんの悪い癖。
誰にも迷惑なんてかかってないのに。
言いたい人が勝手に言ってるだけなんだから。
でも、これは俺が勝手に思ってるだけでAちゃんを救ってあげられる訳でもない。
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作者名：ぽぽ
| 作成日時：2021年6月8日 17時
