狐とキス ページ11
『んふふ…ちゅっ…』
Aちゃんと並んでソファに座っていたのに、いつの間にか寝ていたらしくて、目を開けようとした時に、Aちゃんの楽しそうな笑い声と、俺の右手に触れるAちゃんの手の感触。
うっすらと目を開けると、俺の右手で遊んでる様子で、なんだろうと起きたことがバレないように見ていた。
『ちゅー…ちゅっちゅっ…んふふ。チューしちゃった』
俺の手を狐の形にして、Aちゃんの手も狐の形にして尖った口の部分同士を、くっつけて遊んでいる。
俺らの、新曲のダンス動画見て影響されたのかなとか思いながら、可愛くてまだ見てたくて、寝たフリを続けていた。
『亮平くんまだ起きないのか…狐さんは私ともキスしてくれますか?寂しくて…』
唇をとがらせて、ゆっくりと狐の形をした俺の手に近づきちゅっとリップ音を立ててキスする。
『えへへ。狐さんとチューしちゃった…亮平くんには内緒だよ』
子供みたいに笑って、足をジタバタさせて…。
そんな可愛い姿見せられたら我慢の限界が。
「俺がいない間に俺の手と浮気?」
遊ばれてた手でAちゃんをの腕を掴むと、驚いたような顔をしていた。
『え?』
「俺が寝てる間にそんなにキスして…困っちゃうよ本当に…可愛くて我慢できなかった」
『…その。いつから起きてたの?』
恥ずかしかったのか顔を赤くして、目線を合わせないようにそっぽ向く。
「んー。狐同士をキスさせてたくらいからかな…そんなにキスしたかったの?」
『ち、違うの!遊びで…暇だったから…そんなつもりじゃなかったの』
「そうなの?あんなに楽しそうにキスしてたのに…狐とキスして俺とはキスしてくれないの?」
『…しないわけじゃないけど』
「じゃ、俺とキスする?」
『…ずるいそんな聞き方』
少しだけ不貞腐れたAちゃんの頬を撫でて、顔を近づけるとそっと目を閉じてキスを待っていて可愛いと思いながら、少しイタズラしてあげようと思って、キスする振りをして、俺の手で作った狐でAちゃんにキスしてみた。
「ちゅっ」
『…っ!!りょ、亮平くん!!』
「キスしたよ?」
『…もういいよ!!部屋帰る!!』
恥ずかしいからか、急いで立ち上がり部屋に向かおうとするのを慌てて、腕を掴み引き止める。
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作者名:ぽぽ | 作成日時:2022年6月18日 14時