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目黒「…A」
『ん?』
亮平との電話を終えて、すぐに電源を切ると目黒が私を抱き寄せ、唇にキスをしてくるのを受け入れる。
目黒「…ありがとう…A」
『…うん』
...
酸欠で意識を飛ばし次に目を覚ましたのは目黒の部屋だった。
体を動かすと、力なく床に座る目黒の姿。
『…目黒?』
目黒「ねぇ、俺にはAしかいないんだ…Aがいなくなったら俺は死ぬ…だから居なくならないで…」
私の前で泣き崩れる目黒を見ていたら、私がここまで壊してしまったんだと罪悪感が一気に襲ってくる。
私とこんな関係にならなければ、もっと普通に居られたのかもしれない。
『…ごめんね目黒』
目黒「…俺はAだけがいればいい…この家も最近誰も帰ってこないしさ…今の俺にはAしかいないんだ…だから、お願いだから俺を見捨てないで…」
私の腰に腕を回しぎゅっと私を抱きしめる。
まるで子供が母親に抱き着くように。
目黒はずっと言ってた愛が欲しいって。
こんな私でも、目黒に愛をあげられるならこれでもいいのかな。
目黒の事を知ってしまったからこそ、無視できなくなっていて、私には今誰かとの幸せを考えるよりも、誰かの幸せを考えてしまう。
亮平とも勿論一緒に居たい。
でも、亮平は自分でも幸せになれるから。
私や目黒みたいな悲しい人間じゃないはずだから。
『…目黒わかったよ。もうずっと目黒の傍にいる…どこにも行かないから…泣かないで』
目黒「…っ。ごめん」
泣く目黒を抱きしめてあやすしかできなかった。
きっとまた、亮平に会えば繰り返される。
あの時だって同じだったのに。
なんで何度も同じことを繰り返してしまうんだろう私たちは。
近づいては離れて離れては近づいてって。
私が決めきれないからだよね。
亮平なのか目黒なのかって。
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作者名:ぽぽ | 作成日時:2022年2月11日 10時